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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第504号2022.12.13配信分
●齢70にして目覚めた。だから、まだ当分ジタバタするつもり。
変わらなければ……そう思いながら無為な時間が過ぎ去った。か
れこれ30年以上である。もう何度も書いていることだが、私が現業
を得て45年になる。端緒は1978年(昭和53年)、自動車専門誌編集
者の唆(そそのか)しに乗り自動車ライターで行くことを決めた。
18歳で運転免許を取得、富士フレッシュマンレースシリーズ(TS
1300クラス=KB110サニー)参戦を果たした時には23歳なっていた。
足掛け4年モーターレーシングの世界を垣間見て今がある。
当時の自動車専門誌はクラスマガジンであり、極めてマイナーな
存在。波乱の1970年代をリアルに知る者はすでに現役を退きつつあ
り、戦争を知らない世代と同様の事実の継承が難しくなっている。
1980年代に入って技術立国の方針が奏功し、風向きが変わった。
結果として自動車産業(を始めとする製造業)が活況を呈し、雑誌
文化が花開いている。企業の収益性が高まった分、広告出稿に余裕
が出たからだが、そこに需要先の購読者として団塊世代が大挙出現
したことも見逃せない。商業ジャーナリズムなるビジネスモデルが
定着し、次第に社会的な影響力を持つことになった。
仕組みとしては、新聞/TVといった中央集権的なマスメディア
と同じ構造に違いはないが、雑誌文化はより細分化したジャンル毎
に展開する。ただし、情報を上流から下流に流す一方通行というこ
とに変りはない。
いずれにしてもテクノロジーの進歩のプロセスにおける一コマに
すぎず、画一的なソースからの情報配信という意味では旧来からの
仕組みと同じ。双方向性が可能になった現在のインターネットとは
明確に趣を異とするものだった。
恣意的に権力が集中することも可能という点で、マスコミが強力
な政治力を手に入れる端緒がここにあった。”報道の自由”は一般
論としてよく聞かれる基本原則だが、同時に”報道しない自由”と
いう情報操作に関わるパワーを得ている。我々はこの事実をもっと
強く認識する必要がある、と思う。
●”モーレツ”と”エコノミックアニマル”の果てに今がある
それにしても、戦後一貫して高度経済成長を続けて来られたのは
何故だろう?素朴な疑問だが、考えてみるとよく分からない。様々
な幸運に恵まれたのと日本人の勤勉と才覚の成せる技……学校時分
に確かそう習った記憶があるが、果たしてそれは本当だろうか?
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