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奇跡のみつお物語その37

「琉球スピリット」~みつおの世界~
【挫折】 東京に戻ったみつおは、完全にやる気を無くしていた。 父親の落ち込んだ姿が目に焼き付いていたので、みつおは沖縄に帰る決心をした。 そもそも、母親を喜ばせたいという想いで始めたビジネスなので、母親が亡くなったいま、やる意義が完全に無くなっていたのである。   みつおは身支度をしてすぐに東京湾へ向かった。リュックを背負いバイクに乗って船で沖縄に帰るためだった。 久しぶりにバイクに乗ったのだった。  冬は寒くてとてもバイクに乗る気にはならなかった。ここに来た時に、富士山が近いのでバイクで五合目まで行ってみようと思ったのだが、12月の富士山はかなり寒かった。 帰りの下り坂で手がかじかんで必死でブレーキを引っ張っていた。 ようやく麓についてラーメン屋に入るまでガタガタ凍えていたので、それ以来バイクはアパートの下に止めたまま乗る事は無かったのである。 すっかりバイクの存在さえ忘れていたが、沖縄に帰るとなるとバイクも持って帰らなければならないので、船で帰るしかなかった。 当時はスマホどころか携帯が普及していないときなので、ナビを見ながら走るのではなく、地図を見ながら知らない所へと向かうので、とりあえずルート246で東京を目指してひたすら走っていた。 渋谷の見慣れた街で休憩し、それからまた地図を広げて東京湾へと向かった。 いつもきている街並みで前日もみんなに挨拶にきたばかりだが、バイクでくるとまた違った景色に見えた。 「そうなんですね、金城さんがいなくなると寂しくなるね、みんな金城さんの話を楽しみしてたから」 自衛隊のときの話や高校時代の話しをするとみんの喜んでくれたので、みつおも話しをするのが楽しみだった。 「うん、いつか沖縄支部ができたら遊びにきてよ」 社交辞令でそう言って別れたのだった。 みつおは、もうビジネスをする気はなかった。 やる意義を失ってしまったからである。 このビジネスを始めたキッカケは、説明会の時にプレゼンターが話していた、生きているうちに親孝行をしませんかという言葉で心が動いたのである。 みつおが思っていたのは、とくに母親のことだった。 いつもお金で苦労していたのを子供の頃からみていたので、お金を稼いで楽をさせてあげようと思っていたのである。 その母親が他界したいま、みつおのやりがい、生きがい全ての存在価値が消え去ったのだった。

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