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週刊Life is beautiful 2022年1月10日号:Tesla Roof

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん Tesla Roof ハワイの家の屋根のTesla Roofへの張り替えがようやく完了しました。当初の予定では、2021年の夏に設置する予定でしたが、認可が降りるまで時間がかかった上に、いざ工事を始める段階になってからも、パーツが届かない、火山の噴火など、色々な問題があり、結局完成したのは2022年の12月末になってしまいました。 ちなみに、ハワイ島でTesla Roofを設置するのは私の家が第一号だそうです。それもあって、設置工事を担当したRising Sunという会社にノウハウがなく、パネルの設置はカルフォルニアの会社に外注し、彼らが火山が噴火している間はハワイ島に来れないと言い出したり、いざ、パネルの設置が終わった後も、パワーウォールの設定がちゃんと出来ないなど、数多くの問題が噴出し、ハラハラドキドキでした。 ちなみに、契約は、注文の確定時に80%、完成時に10%、電力会社による最終チェック後に10%の支払いをすることになっており、12月の中頃にはパネルの設置が終わった段階で、10%を支払うようにとの請求書が来たのですが、実際に発電したのを見ていない私は「ちゃんと発電することを見届けてから支払う」と主張しました。すると、すぐに担当者が飛んできて、スイッチを入れたのですが、まともに動かず、そこからちゃんと動くまでさらに1週間ほどかかりました。クリスマス休暇を挟んでいたので、どうなるかと心配しましたが、クリスマス明けにはようやくまともに動くようになりました。 米国は、日本と違って「うるさい客」が先にサービスを受けることが出来る国なので、工務店を雇って工事をしてもらう場合など、100%満足するまでは支払いを拒否する必要があります。 Tesla Roofは、太陽光パネルがガラス製の瓦(?)に組み込まれているため、見た目はとても良いのですが、値段が高く、「元を取る」のに25年近くかかり、金利を考慮すれば(少し前に、メルマガに書いた、Discount Cash Flow の考え方です)、効率の良い投資ではありません。 システムは、総発電量は 47.3 kWです。日本の家庭で一般的に設置される発電システムは5kW程度なので、その約10倍です。私のハワイの家は平家で屋根がやたらと広い上に、私が北側にも設置して欲しいとリクエストをしたために、こんな巨大なシステムになっています。 太陽光パネルからの電力(直流)は、一度インバーターと呼ばれる機械に入り、必要に応じて交流に変換したり、Tesla Wallと呼ばれる蓄電池に蓄積されます。システムが巨大なため、AとBの二つのシステムから構成されており、Aには3つのインバーターと4つのPower Wall、Bには2つのインバーターと2つのPower Wall、トータルで6つのPower Wallが設置されています。Power Wall一つあたりは、13.5kWhの容量を持つため、トータルで81kWhの容量になります。 これらのシステムが協力し、基本的には太陽光パネルからの家に電力を提供し、日中余った電力はTesla Wallに蓄積し、太陽が沈んだ後は、Tesla Wallに貯めた電力を使うことになります。それでも足りなければ、電力会社から電力を購入しますが、余れば逆に、電力会社に売電します。 まだ、使い始めて1週間も経たないので、一年を通してどうなるかはまだ分かりませんが、私たちが使う冬の間はほとんどの電力をTesla Roofからの電力で補い(大きいのはエアコン、乾燥機、ジャグジーの温水器)、私たちが使わない夏場(主に使うのは、家具を守るための最低限のエアコン)は、余った電力を電力会社に売ることになるだろうと予測・期待しています。 【追記】ここ数日の発電状況を見ると、より発電量の多いはずのシステムAの方が発電量が少ないという状況にあるので、Teslaからの設計図を1日かけて解析し、どこがどうおかしいのかの詳細なレポートを提出し、インストーラーにその問題を解決するようにリクエストをしました。設計図によると、1日平均でシステムAは 83.63kWh、システムBは65.31kWhを発電するはずですが、現状は、晴天の日でもそれぞれ35.90kWhと55.40kWhしか発電していません。必ずしも設計通りの発電量が得られないのは分かりますが、システムAは設計の42%しか発電しておらず、設計通りに動いていない(何かがおかしい)ことは明らかです。来週、何がおかしいのかを徹底的に調べてもらうことになっているので、その結果はここで報告します。 テクノロジーの定点観測 読者の方から、去年の頭と同様に「テクノロジーの定点観測」という観点から書いて欲しいというリクエストがありました。去年は、 電気自動車・自動運転 AR、VR、メタバース 暗号通貨、NFT、Web3 の三つを挙げましたが、今年は、自然言語インターフェイス を追加した4点に注目したいと考えています。 既に気がついている人もいると思いますが、OpenAIのDall.EやGPT3で使われている巨大言語モデルは、人間と機械の間のインターフェイス(マン・マシン・インターフェイス)を根本から変える可能性を持っていると私は見ています。

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