■「答えのないゲーム」の戦い方・3ルール
「こうしたら、正解」という公式が通用しない時代だ。ビジネスだ
け考えても、選択肢は複雑化し、誰にでも当てはまるような答えと
いうものはなくなりつつある。
たとえば「コロナ禍による社会の劇的変化」「副業という新たな選
択肢の出現」「大企業VSスタートアップ」など、事業を始めるに
も、働き方選びにも、自ら考えて前に進まねばならないのだ。
これは、人生という大きな視点でいえば、もっと複雑だ。答えのな
いゲームに勝つとか、負けるとかも大事だが、それ以上に答えのな
いゲームを楽しむ術を学ばねばならないのだ。
★
人は自然と「答えのあるゲーム」の戦い方をしてしまう。義務教育
の中で、そして部活や受験、就職活動などで、あらゆる「答えのあ
るゲーム」で試されてきたからだ。
ビジネスでもクイズでも「何かを解こう、攻略しよう」と思う時、
「これで合っているか」を問い、当たればOKという思考で戦って
きた。これこそが正解を目指すゲームの攻略法だ。
そういう思考法では、当てずっぽうでも、過去の経験に基づくもの
でも、答えが当たればそれでいい。それが当たりだからだ。それ以
上の理由は不要だ。それができるのは、答えがあるからだ。
ひと昔前は「大企業に就職すれば人生安泰」と言われてきた。これ
が明確な答えとして社会に浸透していた。だが、今「大企業に就職
すれば人生安泰」とツイッターでつぶやいたら大変だ。
ありとあらゆる人から罵声を浴びるはずだ。大企業がダメ!という
ことではない。「キャリアをどう築くか」が答えのないゲームだと
皆が気づき始めたのだ。
★
人生においても、ひと昔前なら「結婚して、家庭を作り、子どもを
育てる」というのが答えだった。この流れももはや太古の答えとい
う感じがする。
だが、このことに気づいていても「答えのあるゲーム」の戦い方し
か経験してこなかったために、答えを前提とした戦い方しかでき
ず「答えのないゲーム」が戦えない。
なぜなら「答え」がないからだ。もう少し正確に言えば「明確な正
解がない」ということだ。正解を追い求めている限り、これからの
時代に戦っていくことはできない。
答えがないのだから「合ってますか」と尋ねても、答えてくれる人
はいない。仮に答えてくれたとしても、その答えは人によってま
ちまちになる。
答えを求めてしまう人は、何を信じるべきか迷い、途方に暮れ、見
えない重圧に窒息してしまう。答えがなくても選択せずにはいられ
ない。答えのないお題が毎日現れ、選択を迫られるからだ。
★
「答えのないゲーム」を戦う上で重要なことは、たとえ「答え」を
出したところで、その答えが本当に正しいかどうかは、誰にも判断
できないということだ。
たとえば、上司に何かを確認する時「これで合ってますか?」と聞
いたとする。これこそが「答えのあるゲーム」の戦い方をしてしま
っている証拠だ。
自分にとって「答えのない」問題は、たいてい上司にとっても同じ
だ。上司は「答えを知ってますよ顔」をするかもしれない。だが、
答えなど知らないはずだ。
「答えのないゲーム」をしているのに、上司に「これで合ってます
か」と聞くことは、上司に「答えのないゲーム」をさせ、自分は
「答えのあるゲーム」をしているということだ。
誰かに仕事をお願いした時「お願いした意味がないでしょ」と感じ
ることがある。それは、自分は「答えのないゲーム」お願いしてい
るのに、相手が「答えのあるゲーム」をしているからなのだ。
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