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第58回:改革の流れを読み、今後に備える‐薬剤師によるOTC医薬品販売規制緩和の事例-

政策人材のための教科書 ~現場の声を政策につなげるために~
  • 2023/01/11
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1)資格による参入障壁がもろくなってきた 「資格を持っていれば仕事に困ることはない」と親や先生に言われてきた人も多いのではないでしょうか。 そんな風に言われてきた理由は、その資格を持っている人にだけ許される業務が存在することにあります。安全・安心の観点から特定の作業や仕事を行う職場には、資格者をおかなければいけない決まりがあることも、資格者の希少性を高める要因になってきました。 医療者の資格取得者はその恩恵を最も受けてきたといってもいいでしょう。 資格者にのみ許された独占業務で有名なものは診療です。これは医師免許を持っている人にだけ許される行為で、ブラックジャックのように無免許で医療行為を行うことは医師法違反の犯罪となります。 医師や薬剤師の配置がなければ、営業や販売ができない業態も多くあります。ドラッグストアなど医薬品を販売する店舗は、薬剤師などの有資格者が実地で一般用医薬品の管理をすることになっています。 例えば、第一類医薬品については、そのドラッグストアで働いている薬剤師が購入者の対応をすることが決められています。第一類医薬品というのは、医師の処方箋なしに購入することができる一般用医薬品のうち、もっともリスクの高い医薬品のことです。ガスター10やロキソニンSなどが該当します。一般用医薬品には、他に第二類医薬品、第三類医薬品があります。 「現在薬剤師が不在のためこの医薬品は販売できません」という札が医薬品の棚にかけられているのを見たことがある人もいるかもしれません。これは、その店舗で働く薬剤師がそのドラッグストアにいないために、医薬品があったとしても、利用者はその医薬品を買うことができないという状況を意味しています。 ■医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (店舗の管理) 第二十八条 店舗販売業者は、その店舗を、自ら実地に管理し、又はその指定する者に実地に管理させなければならない。 2 前項の規定により店舗を実地に管理する者(以下「店舗管理者」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、薬剤師又は登録販売者でなければならない。 (一般用医薬品の販売に従事する者) 第三十六条の九 薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、一般用医薬品につき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に販売させ、又は授与させなければならない。 一 第一類医薬品 薬剤師 二 第二類医薬品及び第三類医薬品 薬剤師又は登録販売者

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