日本半導体に光明さす
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脱炭素で世界エース
日本は、明治維新から数えて昨年で154年目に当る。この間を大きく分けると、次のようになろう。
明治維新 1868年
敗戦 1945年
昨年 2022年
この3段階には日本近代史の盛衰が凝縮されている。それだけでない。敗戦を挟んで、それぞれ75年の年月が刻まれている。明治維新から敗戦までは、日本の勃興と灰燼に帰した歳月である。敗戦から昨年までは、敗戦国が世界GDP2位まで登り詰め、バブル経済の崩壊で3位へ後退した後のスランプ期間である。世界では、このスランプ現象を捉えて、「日本終焉」という説を流されているほどだ。
実は、世界史の発展が「25年単位」で動くという説がある。吉見敏哉・東大教授の主張だ。前述の75年は「25年単位」の3倍にも当るので、歴史の発展においては、より輪郭を明確にすることが起こっても不思議でない。それは、栄光時代からの衰退が、国民に危機感を植え付けて奮起を促すことであろう。それが、原動力になって新たな道を模索して登攀を決意させるに違いない。
1945年8月15日の敗戦は、日本国民に脱力感と生きる希望を失わせた。この混乱の中の9月、後に総理大臣を務めた石橋湛山は、週刊『東洋経済新報』主幹として社説を執筆。「前途洋々たり」と絶望感に打ちひしがれる国民を鼓舞した。平和になる日本が、技術で立ち上がれるとその大きな可能性を指摘したのだ。石橋は、後に政治家へ転身して、自らの主張を政策に反映させ、日本の牽引役になった。
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