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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 159
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、今年2023年に話題になる可能性が高いスマホ関連のテクノロジーをご紹介します。
よく、スマホの進化は止まったと言われますが、そんなことはありません。以前の進化というのは画面解像度やカメラ解像度が中心であったため、人間の目で見ても進化がわかりやすかっただけです。
例えば、カメラ撮影だけ見ても、夜景モードの美しさはこの数年で飛躍的に進歩をしています。カメラの工学的な進化だけでなく、AIにより夜景を美しく表現する技術が進んだからです。また、このようなAI演算を行うために、スマホの頭脳であるチップ(SoC)にAI演算ユニットが組み込まれたり、画像処理専用ユニットが組み込まれるなどハードウェアも進化をしています。
このような進化は、一見わかりづらく、尚且つ画面解像度やカメラ解像度のように万人に恩恵があるというものではありません。極端な話、夜景の撮影をしない人にとっては夜景モードの進化はどうでもいいわけです。
このようなことから、スマホの買い替え期間が伸びる傾向になっています。2年で買い替えていた人全員が、3年で買い替えるようにすると、計算上はスマホの販売台数は66%に低下をしてしまいます。実際、スマホの出荷台数は減少気味で市場は縮小をしています。
しかし、これは「スマホの進化が止まったので、スマホが売れなくなった」のではなく、「スマホの進化がわかりづらくなったので、買い替え期間が伸びている」のです。そのため、各メーカーは、どうやって他のブランドのユーザーを奪うかを工夫するようになり、進化のスピードは早くなっていると言ってもいいぐらいです。
今回は、今年話題になりそうなスマホ関連のテクノロジーについてご紹介をします。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 159
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▼目次▼
2023年、スマホはどう進化をするか。今年話題になるかもしれないスマホテクノロジー
小米物語その78
アリババ物語その78
今週の「中華IT最新事情」
Q&Aコーナー
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2023年、スマホはどう進化をするか。
今年話題になるかもしれないスマホテクノロジー
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今回は、2023年に話題になりそうなスマートフォン関連のテクノロジーをご紹介します。
「スマホの進化は止まった」「スマホは成熟をした」「スティーブ・ジョブズ亡き後のiPhoneにはサプライズがない」という話はよく耳にします。確かにこの数年のスマホにはサプライズがなく、進化が止まってしまったかのように見えます。
しかし、それは「わかりやすい進化がなくなった」というだけのことにすぎません。スマホが登場した頃、ディスプレイの解像度は低く、カメラの解像度も低いものでした。肉眼で見ても、ジャギーがわかるほどでした。
例えば、2007年1月に発表された初代iPhoneのディスプレイは320×480ピクセルで、カメラ解像度は2メガピクセルでした。しかし、最新のiPhone14では、ディスプレイが1179×2532ピクセルとなり、カメラ解像度は12メガピクセルになっています。このような進化は目で見て感じることができるため、わかりやすいのです。
しかし、2010年台半ばからは、一見わかりづらくても、大きな進化が起きています。例えば、アップルは2017年からFaceIDを搭載しています。いわゆる顔認証です。これは顔の位置を検出する顔検出ではなく、顔データを使って本人認証をするのですから、相当に重たい演算が必要になります。このため、iPhone Xが採用したSoC「A11」にはNPU(Neural Porocessing Unit=ニューラルエンジン)が搭載されています。いわゆるディープラーニング演算に特化した演算ユニットで、FaceIDを実現するにはこのニューラルエンジンが必要でした。
FaceIDは、ユーザーから見たら、重たい演算が必要な機能には見えません。顔を見せればロック解除ができたり、決済の認証ができるだけだからです。しかし、その背後では膨大な演算が必要で、それを実現するためにSoCを大幅に進化させる必要があったのです。
さらに、写真をきれいに撮るということにもニューラルエンジンは使われています。現在のスマホはカメラレンズが複数ついているのがあたりまえになりました。これにより写真が格段に美しくなります。例えば、夜景を撮影した場合、光の量が少なすぎて、どうしても電気的なノイズが画像に乗ってしまいます。しかし、複数のカメラで同じものを複数枚撮影しているのですから、ノイズを判別して、その部分に関しては他の写真を参照し、ノイズのない情報を合成してやればノイズが消えます。これにも、ノイズの判別や自然な合成など膨大な演算が必要になります。
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