■小さく分けて考える「分解思考」
「考えても結論が出ない」「どこから考えればいいかわからない」
「相手にうまく伝わらない」「頑張っても結果が出ない」これらを
解決するには大きくて漠然としたものを小さく分けて考ることだ。
「分解思考」とは、文字通り分けて考えることだ。分けることで、
解像度を上げたり、問題点を明確にしたり、本当に重要な課題を見
つけたりすることができる。
たとえば「来期は売上を2倍にしてほしい」と上司から言われたと
する。その時「売上」の数字を分解して考えると「客数」と「客単
価」でできていることがわかる。
すると、売上を上げるために何をすればいいのか選択肢が生まれ、
行動が具体的になる。どちらを改善すれば楽に目的を達成できる
か、もしくはそれぞれの数字をよくするかを考えることができる。
仕事ができる人たちは、こうした分解思考ができている。特に「解
像度が高い」と言われる人は、分解の精度が高い。だからこそ、適
切な方法を選び、効率的に高い成果を出しているのだ。
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分解思考のメリットは、まず生産性が上がる。やみくもに頑張らず
に最大限の結果が出せる。分解思考を使うことで無駄がなくなり、
仕事を効率化することができるからだ。
2つ目は、曖昧な説明が明確になり、解像度が上がる。たとえば、
「この業務がスムーズにいかないんです」と言われても、業務をど
うしてあげればいいかわからない。上司も相談にのれない。
「この業務フローについて、ここの部分がどうしても時間がかか
り、ボトルネックになっています。ここの順序を変えたほうがい
いのではないですか」と言われれば検討しやすいはずだ。
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分解思考で分解しておけば、話す相手にあわせて伝えるべき内容が
わかる。だから会話がスムーズになる。また、やるべきことのアイ
デアも広げられる。
たとえば、売上を増やしたい時、売上という1つの数字だけ見てい
ても何をしていいのかわからない。そこで、売上を販売個数×客単
価に分解する。
すると「販売個数を増やす」「客単価上げる」の2方向の打ち手が
考えられる。さらに販売個数を「訪問人数×購入率×購入回数×平
均個数×平均単価」に分解すれば、さらに議論がしやすくなる。
たとえば「出店場所が悪いのでは」「購入率の向上が必要かも」
「何回か買ってもらう施策はないか」「自分用だけでなく6個入り
ギフト商品を作って売ったほうがいいんのでは」などだ。
このように分解して考えれば、やみくも、新商品を出したり、SN
Sの発信を増やしたりするより、より具体的で必要なアイデアが出
る。そこから必要な打ち手も見つかるわけだ。
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対立を回避しながら自分の意見を主張できる。何事も1つの箱を取
り合う構図になると力ずくの勝負になる。
だが、たとえば「この箱は2個に分かれてませんか?」「もう1個
の箱についても議論してから選びましょう」と提案すれば「なるほ
ど、そっちの箱もあったね」となり、検討してもらいやすくなる。
「分解すると2つの意見に分かれる」という提案の仕方をすれば、
誰かの意見を押しのけて自分の意見に差し替えることなく、自分の
意見を主張しやすくなる。
さらに、メンバーと共通の地図を持つことができる。会社内で、
BtoBのマーケティングチームがリストを増やす役割を担ってい
て、セールスチームは成約率を上げる役割を担っているとする。
売上の議論をする場合、お互いに不満を抱えつつ、直接言いにくい
状況が生じる。だが、分解した共通の地図を持った上で商品やサー
ビス単価の議論をしていけば、共通の目的意識が得やすくなる。
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