春節で農村へ感染拡大
特効薬を値切って失敗
戦狼外交止め融和姿勢
習近平国家主席にとっては、念願の3期目を実現できて自信満々であったろう。ロシアのプーチン大統領と手を携え、西側へ対抗する構図を描いていたと思われる。だが、その足元はゼロコロナ打切りとともにぐらつき始めている。コロナで、共産党古参幹部の死亡が、相次いで判明していることから、にわかに習氏への批判が高まっているのである。
中国は、3年にわたる厳格なゼロコロナによって、国内は無菌状態になっていた。それが、一度に「フルコロナ」状態へ移行したので、多くの免疫力の弱い高齢者が犠牲になった。防疫当局は、日々の感染者数・死亡者数という公衆衛生上の基本データの発表すら中止するなど、大混乱に襲われた。その後、昨年12月8日から23年1月12日にかけて、医療機関での死者数が59938人と発表した。だが、多くの疑念が寄せられている。実態よりも「過少」としているのだ。
共産党内部の批判は、3年間のゼロコロナ期間中に、次のステップである解禁に備え、なぜ治療薬や治療施設の整備をしなかったにかという点に集中している。そうすれば、救える命が多数あったはずという悔恨の念である。これが、そのまま習近平不信へ繋がっているのだ。
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』(1月13日付)は、「今後の展開次第で、習近平国家主席の今後数年間の指導力に影響が及ぶことになるだろう」と微妙な報道をしている。WSJが、こういう奥歯にものが挟まった表現をしているのは理由がある。かつて、中国批判記事で執筆したWSJ記者に対して、中国当局がビザを再発行せず、事実上の追放処分にした。こういう経緯があるので、ぼやかした記述にしたのであろう。その裏づけをとっている筈だ。
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