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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』第505号2022.12.20配信

クルマの心
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□          伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』            第505号2022.12.20配信分 ●日本のサラリーマン主義が諸悪の根源!?  日本型雇用が有効だったのは、実は戦後長く円安為替環境が続い たから。G5プラザ合意(1985年9月)で対ドル為替相場が円高に 転じて以降、その事実は日本経済にとっては明らかにマイナス材料 となって行った。なるほど、そうゆうことだったのか。改めて思い を巡らせる機会を得て腑に落ちた。現在只今の偽らざる実感だ。  新卒一括採用、終身雇用、年功序列型給与体系、そして(帳尻合 わせを目的とした)退職金制度……それらはすべて一体化して考え られ、時代とともに強化されて今日に至っている。日本社会が変わ れない原因は、”今まで通り”を望む保守的志向にある。この視点 は、これからを考える時に重要となるだろう。 サラリーマンでなければ人に非ず。会社員であることが社会人と して認められる前提条件の上位に来る。考えてみれば奇妙な話だが、 それがあたり前の話として定着している。『解雇規制』に見られる 日本特有の『変化しにくい社会の仕組み』は、集団主義が長く続い た結果だと見ている。既得権益とは、誰かが悪意を持って手にする ものではなく、誰もが当事者となる可能性がある、ということだ。  ずっとフリーランスで、サラリーマン経験は一度もない。そんな 私が言うのも何だが、身分としての会社員にはずっと違和感を抱い ていた。(皆が揃って豊かになる社会を目指した)昭和という時代 の現実をリアルに知る世代だからこその実感で、あの時代を知らぬ 人たちが相対化に捉えるのは難しいかもしれない。  今日の社会に充満する閉塞感は、社会の仕組みが時代の変化に対 応できなくなったことが原因ではないか。そう考えると、この課題 をパスして解決に至るのは困難という気がする。門外漢が何を言う ……そんな声が聞こえてきそうだが、この国の議論には(故意か偶 然かはともかくとして)常に肝腎な前提が抜けている。  ところで、国内自動車販売が500万台前後に張りつくようになっ て久しい。後にバブルと振り返られた経済好況のピーク(1990年) に777万台を記録して以来、一度もそのレベルに戻ってはいない。 それどころか平成時代(30年間)を通じてデフレ不況が延々と続き、 令和4年を経てなお浮揚の気配が感じられない状態が続いている。  円高という為替環境の変化に端を発する不動産/株式の加熱状況 に対し、政府/金融当局が政策を誤り続けた結果として今がある。 国内経済が不調でも極端な生活苦とならなかったのは、ひとえに需 要が供給を下回り結果として物価が低く抑え続けられたからだろう。

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  • クルマの心
  • 価値観が大きく変化しようとしている今、なすべきことは何か? このまぐまぐ!のメルマガ『クルマの心(しん)』を始めて多くのことに気づかされました。ずっとフリーランスでやって来て40年、還暦を迎えたこの段階でまだまだ学ぶことが多いですね。どうしたら自動車の明るい未来を築けるのだろうか? 悩みは尽きません。新たなCar Critic:自動車評論家のスタイルを模索しようと思っています。よろしくお付き合い下さい。
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