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韓国左派、「斜陽」中国と縁を切れるか 国内政治「安定の条件」

勝又壽良の経済時評
  • 2023/01/19
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左派は現実無視の空想追い 文氏の書店経営が典型例に 尹大統領の経済自由化宣言 経済学者も現実を認識せず 韓国左派の人々は、民族主義グループである。常識的には右派と称すべきだが、軍事政権に対抗して民主化運動を担ったことから、左派という区分けになる。民主化運動の意図は南北統一であり、北朝鮮の共産主義容認という点で紛れもなく左派である。 冒頭からややこしい話を始めたのは、韓国左派が欧米左派と異なり、自由や実質平等を尊重する度合いがはなはだ少ないことだ。既得権益に身を纏っているのである。韓国は共産主義政党を禁じている。共産主義同調者は、それを隠して左派と称し、政治活動をしている面々も多いのだ。それだけに、複雑な構成になっている。 韓国左派が、共産主義容認であることは間違いない。中国への親近感は格別であるからだ。その筆頭は、前大統領の文在寅(ムン・ジェイン)氏であろう。大統領在任5年間の政策は、中朝接近と日本批判に費やしていた。民族主義の立場から言えば当然であろう。南北融和から南北統一へ進むには、日本批判をテコに中朝へ接近する構図を描いていたことは事実だ。 韓国左派にとっては、中国経済の動向が最も気懸りのはずである。中国が、米国を凌ぐような発展を遂げれば、その力を借りて南北統一への夢が実現できると見ていたからだ。つまり、事大主義である。その中国経済は、大きな陰りがより明確になってきた。 中国の2022年GDP成長率は3.0%に止まった。当初予想の5.5%前後という目標から見れば、達成率5割という不甲斐ない結果である。さらに、22年の人口が61年ぶりに減少して、人口減社会へ移った。これは、「中国全盛期」の終焉を意味するものである。韓国左派にとっては、政治的支え棒を失ったような衝撃であろう。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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