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vol.160:美団のドローン配送が本格化。なぜ、大都市でドローン配送が可能なのか、そのテクノロジー

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2023/01/23
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 160 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、美団のドローン配送についてご紹介します。 美団の深セン市でのフードデリバリーのドローン配送が本格化をしています。現在、4つのショッピングモールと11のオフィスビルやマンションを結ぶ11の路線が設定され、毎日、コーヒーやハンバーガーを運んでいます。 現在は、実証実験という建て付けですが、法律上、まだドローン配送が許可されていないためで、深セン市政府は昨年から急速に法整備を進めていて、今年中にも正式営業に入れそうな勢いです。 ドローン配送はもはや珍しいものではなくなっています。日本でも、初島などの離島や天竜川などの川沿いを航行して、郵便物や小包を届ける実証実験が進んでいます。アマゾンも米国でPrime Airのサービスを始めています。 しかし、いずれも人口が密集していない地域なのです。ドローン配送の最大の問題は、故障や突発的な気象条件により墜落をして、下にいる建築物や人に被害を与える可能性があるという問題です。このような問題があるために、ドローン配送は離島、農村、山間部といった人の少ない地域を飛行するのが常道になっています。 ところが、美団のドローン配送は、深センという大都市で行われています。それも深センの郊外ではなく、中心部とまでは言えませんが、ショッピングモールがあって高速道路が走っている市街地の上を飛行しています。 どうして、こんな大都会でドローンを航行させることができるのでしょうか。美団は市街地でのドローン配送を実現するために、数々の安全テクノロジーを開発し、それを実証実験を通じて鍛えてきました。このテクノロジーの成熟ぶりを見て、いよいよ深セン市政府が法整備に向けて動き出したのです。 今回は、美団が開発したドローン配送の安全テクノロジーについてご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 160 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ 美団のドローン配送が本格化。なぜ、大都市でドローン配送が可能なのか、そのテクノロジー 小米物語その79 アリババ物語その79 今週の「中華IT最新事情」 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 美団のドローン配送が本格化。 なぜ、大都市でドローン配送が可能なのか、そのテクノロジー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、ドローン配送についてご紹介します。 深セン市で、フードデリバリー「美団」(メイトワン)によるドローン配送が本格化をしています。現在はまだ「常態化した試験営業」という建て付けですが、法整備が済んでいないためで、深セン市政府は、2022年2月に「深セン市が推進する新型基礎情報設備建設行動計画(2022-2025年)」(http://www.sz.gov.cn/zfgb/2022/gb1234/content/post_9628550.html)を発表し、ドローン配送を都市低空物流としての位置づけを行いました。さらに、同年7月には深セン市交通局が「深セン市現代物流基礎設備体系建設政策」(http://jtys.sz.gov.cn/zwgk/jtzx/gzdt/content/post_9934339.html)を公開し、低空物流、地上物流、地下物流の3層を整備していく方針を明らかにしました。 また、ドローン運行を一括で管理する機関、民航航空局忠南地区管理局と空中利用の調整をする機関の設置も決まり、法整備に向けた作業が着々と進んでいます。いつになるのかは明らかになっていませんが、今年中には法律でドローン配送が認められ、美団も正式営業に入ると見られています。 と言っても、すでに美団は正式営業と変わらないレベルの配送をしており、特に変わることはないかもしれません。 美団が公開している情報によると、2020年1月に深セン市の初の試験飛行6分15秒を行なって以降、2020年10月には試験飛行が10万回を超え、2021年1月から実際の飲食品の配送を行い、2021年6月には配送した飲食品が2500件を突破しました。 その後、数値実績は発表されていませんが、すでに美団アプリで注文をすると、ドローン配送路線の場合、ごくあたりまえのようにドローンで配送される(地図上にスクーターではなく、ドローンのアイコンで現在地表示が出てくる)ので、かなりの数に登っていると見られます。

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