おはようございます!
おじいさんと、スマホゲームをやりながら自転車に乗っている女の子がぶつかる。怒り狂うおじいさんに対して、悪いとも何とも思わない女の子。合気道の演武大会で、片や練習し過ぎで手に怪我をした女の子。それに対して、どうしても競技演武で優勝したい稽古相手からの、
「あと一時間気合入れてくれよ!」
という強力な圧力。これらは、人間社会に必然的に起こる不協和音です。場合によっては、誰にもどうにもすることさえできないかもしれない。
私も、合気道では競技演武に出ていたこともありました。その時は私もとても優勝したかったですし、必死で稽古相手を教えていたつもりでした。でも、肝心の稽古相手は私に追い付いてこれないし、稽古中に、
「痛い。痛い。」
を連発する。先生には、
「もっと優しくやってあげて下さい。」
と言われてしまう始末。何年か後に、自分の後輩が、
「あと一時間、気合入れてくれよ!」
と怒鳴る光景に遭遇するとは、想像もできなかった。
怒鳴る後輩に、かっての自分の姿を見ているようで、
後輩の気持ちがよく分かるだけに、
後輩のことを攻めることはできなかった。
更に何年か後に、自分が五段になって、
数人の演武大会出場者達の代表者になった時、
代表者でありながら衝突事故に遭遇して怪我をし、
自分は痛みを我慢して強行に出場することでしか解決策を見出だせなかった。
怪我を治すことを優先させるべきか、
怪我を押して演武大会に出場するべきか、
数多くのそうした場面に遭遇し、
その時々の最適な解決策を見出すために奔走する。
武術家・武道家として強くなる、というのは、
そうしたことであるのかもしれません。
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