2023年 第3号 【長尾和宏の「痛くない死に方」】
長尾和宏です。阪神・淡路大震災から28年が経ちました。
被災された方々が、それぞれの想いを抱えてこの日を過ごしたことでしょう。
コロナ禍でできなかった追悼イベントが、今年は各地で3年ぶりに復活して
ホッとしています。
「追悼」というのは、やはり「どこ」で行うのかも、とても大切な事柄です。
追悼会場で、やっと献花できた、とそっと手を合わせる人たち。リモートではでき
ない祈りの姿が、そこにありました。その場所に行かなければ、気のすまない想
いというのが人間にはある。
震災直後に生まれたカップルが結婚式を挙げたというニュースもありましたね。
隔世の感。災害を知らない世代に災害の怖さを伝えていくことも、僕らの役割。
さて、先週の日曜日は、多くの人が僕のTwitterスペースを聴いてくださった。
感謝申し上げる。
聴きそびれたという方、以下からアーカイブが聴けます。
スペースのいいところは、動画と違って、仕事をしながらラジオ感覚で聴いて
頂けるところ。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓(Twitterのアカウントがなくても聴けます)
https://twitter.com/i/spaces/1DXxyvlErmeKM
第一部は、生物学者の池田清彦さんと「僕たちがワクチンを2回でやめた理由」
第二部は、児玉慎一郎先生と医療漫談!? 笑って免疫鍛錬。下ネタごめん…。
池田清彦先生とトークさせていただいたのは、コロナ前の2018年11月。
僕が、『男の孤独死』という本を出版したときに、新宿で「オスは生きている
無駄なのか?」というテーマで、熱く語り合ったのだ。
孤独死に詳しいジャーナリストの菅野久美子さんにもご参加いただいた。
あのときの結論を三行で述べるなら…
*生物学的には雄は雌にかなわない。
*社会は、雌だけでも成立する。
*オスの役割は「多様性」を付加するだけ!?
せつない。そういえば、もっとせつない話が、作家・橘玲さんの『女と男 なぜ
わかりあえないのか』(文春新書)という本に書いてあったっけ。
人類に近い霊長類では、ゴリラが一夫多妻で雄の身体は雌よりかなり大きい。
そしてゴリラの雄は、その大きな体に比べて、ペニスと睾丸がすごく小さい。貧弱。
一方、チンパンジーやボノボはそれほど雄雌で身体の大きさに差はないものの、
雄は、人間よりもかなり大きな睾丸を持っている。
で、ゴリラ社会では一夫多妻で、チンパンジーやボノ簿は乱婚制度をとっている。
では人間は?
といえば、ゴリラよりもペニスも睾丸もずっと立派だけれども、チンパンジーや
ボノボのような睾丸の持ち主はいない(西郷隆盛くらいか…)。
しかしある調査によれば、人間も昔はチンパンジー同様「乱婚制度」を採用して
いたという。
旧石器時代、男と女は別の共同体で生活をしており、特別な祝祭時にのみ、男女
は乱交をして、子孫を残していった。子育ては女性の共同体で行われた。
だから男は、自分に子どもがいるのか、いたとしてもどの子が我が精子から生ま
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