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第54回 ダボス会議で明らかになった欧州・アジアとアメリカの対中政策の違い

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 毎年1月、スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議=本部ジュネーブ)が20日、5日間の会期を終えて閉幕した。 総会のテーマは、「分断された世界における協力の姿」だったが、多くのメディアが指摘しているように目立ったのは「分断」だった。 その中心にあるのはアメリカだ。 そのダボス会議で、日本のメディアではほぼ無視されてしまったが、重要な発言があった。フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領の南シナ海に関する発言だ。 フィリピンはベトナムと並び南シナ海で中国と紛争を抱える当事国だ。だがマルコスは、中国との間に様々な問題があるとは認めつつも、「南シナ海の未来はこの地域の国々によって決められるべきであって、外部の勢力によって決めてはならない」(18日)ときっぱりと言い切ったのだ。 外部勢力とは言うまでもなくアメリカのことだ。つまり中国とわれわれで解決するとの宣言だ。 発言はこれに止まらない。「外部勢力の介入によって、この地域の情勢はより複雑になった」と米軍の航行の自由に絡む行動をけん制。続けて「軍事手段は南シナ海の問題を解決する手段ではない」と語り、その点ではASEAN(東南アジア諸国連合)のリーダーの意見も一致している」と断じたのである。

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