アメリカとドイツが最新鋭の戦車を供与するという。
そんな中、森喜朗・元首相は25日、ロシアによるウクライナ侵略を巡り、「ロシアが負けるということは、まず考えられない」と述べたことで物議をかもしている。
日印協会の式典ということで、ロシアと上手につきあい、資源を安く確保しているインドへのリップサービスも含めて、親ロ派としては、あまりにウクライナべったりの外交に批判をしたくなったのだろう。
しかし、日本の世論は許さない。
いつも思うのだが、この国のマスコミにはリスクヘッジの発想がない。
国同士がケンカしているときに、民間外交のルートをとっておくのはリスクヘッジと思うが、たとえば今の時期だとロシアと仲良くしている人まで袋叩きだ。
ただ、発言の内容だけとってみると、森氏の発言は間違っていない気がする。
おそらく、この戦争でロシアは負けない。
日露戦争のような、負けてもどうでもいいとか、負けたほうが得だという戦争については、ロシアが負けることはなかったわけではない。
でも、国の浮沈がかかるような本気の戦争ではロシアは、勝つというより、負けないことで勝ってきた。
ナポレオンにしてもヒトラーにしても、ロシアには勝てなかった。
独ソ戦にいたっては、3000万人もの犠牲を出している。
でも、負けなかった。
プーチンが負ける形で戦争を終わらせるとは私には思えない。
また、今、戦車を供与されて、ウクライナが奪還しようとしている、ウクライナから独立したとロシアが主張する地域は、もともとロシア人の多い地域だ。ウクライナに戻って差別されるくらいならと思っている住民がゲリラ化したら、戦争はそう簡単に終わらないだろう。
武器以上に住民感情の問題もあるし、いったんウクライナが奪い返しても、その後の住民の抵抗運動に苦しめられることは十分考えられる。
さらにいうと、このような武器供与が続く限り、ゼレンスキーは戦争をやめない。
戦争が終わるとただの不人気大統領に戻るが、戦争が続く限り、大統領を続けることができるし、世界のヒーローでいられるし、自分が無策でも欧米から武器と援助物資がいくらでも届くなら戦争をやめるわけがない。
プーチンが死ぬ(ロシアは平均寿命が短いし、プーチンもお酒のみなようだ)までは戦争は続くだろうし、死んでもロシアが負けを認めるとは限らない。
負けないロシアとやめないゼレンスキーのために、20年戦争になりそうだ。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)