どうやら中国は、コロナ禍からの早期の脱出を果たし、一定の経済発展のベースを取り戻すのだろう――。
多くの中国人は、この春節期間の帰省ラッシュの大混雑や高速道路の大渋滞に巻き込まれるなかで、そんな感覚を持ったという。
もちろん、医療資源の乏しい農村での感染爆発の決算はまだ終わっていないから、油断は禁物である。重症化率や死亡率を高めるような変異株が、これから出現する可能性も否定はできない。
しかし、習近平政権が恐れていたような混乱や不満が農村部で拡大しているのかといえば、とりあえずそうした心配は去ったといっても過言ではない。
中国の「動的ゼロコロナ」政策は、デルタ株までの新型コロナウイルスには効果的だったが、オミクロン株の出現で一気に劣勢に追い込まれた。
これは巨砲で待ち構えていたところに、安価なドローンによる雲霞攻撃に見舞われたようなもので、効果もコストパフォーマンスも見合わなくなったためだ。
中国の警戒は「社会感染」(管理されていない場所での感染者の発見=感染対策に穴があることを意味する)という言葉の出現に象徴される。つまり、オミクロン株の性質が明らかになった時点で、何らかの政策転換は不可欠だったのだ。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)