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2023年1月29日:国債の中央銀行買い取りの有効性
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著者:システムズリサーチ:吉田繁治
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一挙に寒さが増しています。当地でも珍しく二日雪が降って、風が今日も冷たい。室内の床暖房は、穏やかに温かい。普通はそれで十分なのですが、エアコンの暖房もいれています。
【YCCという「利上げ」】
22年12月に、日銀が金融市場の予想外だった0.25%の利上げをし、マレな方法であるYCC(イールド・カーブ・コントロール)として、10年債を利回りが0.5%になる指し値で、買い取っています。(注)海外市場では、円国債の10年債の利回りは、発行時の0.5%以上に上がっていく(=円国債の価格は下がる)と見ている人が、ほとんどです。。
債券市場は、日本のインフレ率(東京都4.3%:12月)の上昇から、国債金利の上昇を予想しています(国債価格は下落)。
長期債の中心である10年満期の10年債の利回りは、0.35%~0.5%の間を波動しています。22年12月までの0.25%から、0.1~0.25ポイント上がった水準です。
ただし米国債とは3.5%くらいの大きな金利差(イールドギャップ)があります。普通の時期なら、日米のイールドギャップは2%以下で、ドル/円の為替は、均衡します。インフレになった現在、ドル金利、円金利、円の価値、ドルの価値ともに、普通の時期ではない。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/jp10yt.html
【わかりにくいことですが・・・日銀の裏腹の金融政策】
売りに出た10年債は、利回りが0.5%になる指し値で、日銀がほぼ全部を買い取っています。このため、債券市場には、銀行が買う10年債がない。ところが国債の全体では量的緩和ではありません。(注)財務省の新規国債発行分も、0.25%から0.5%に上がっています。
◎日銀は、ここ7か月、満期が来た国債の、借り換え債を買っていないのです。
借り換え債を買わず、満期の返済を受けとるだけなら、日銀の国債の保有(578兆円:23年1月)は1年に72兆円のペースで減って行きます。これを続けると長短の日本国債の平均満期は約8年ですから、8年でゼロになります。
国債は満期日に、政府が額面の100%返済をする債券です。
10年債は、発行日から10年間で返済満期が来る国債です。
日銀の国債の保有高を示すマネタリーベース(日銀当座預金+紙幣発行高)は、22年6月の680兆円(ピーク)から、617兆円(22年12月)まで63兆円減っています。6か月で63兆円の量的緊縮(金融の引き締め)をしたことと、同じです。
◎日銀は、2013年4月からの「異次元緩和(国債の買い取り→通貨の増刷」から、明白な緊縮に転換しているのです。(注)ステルス緊縮です。
黒田総裁は「金融緩和を続ける」と毎月の記者会見で言っています。実際は、激しい「量的引き締め(6か月で63兆円)」に転換しています。こうした裏腹な発言が許されるのはなぜか?
10年の金融政策にとって重大なことであるのに、「マネーの緊縮」というメディアの報道もない。
日銀がもつ国債(578兆円)のうち、返済満期が来る国債は1年に72兆円分あります。日銀が、75兆円分の新規債(借り換え分)を国債市場で買わないと、日銀の保有国債は75兆円減って、日銀のマネタリーベース(紙幣+当座預金)も75兆円減ります。
米国FRBが言うテーパリング(中央銀行による国債の買いの順次減少)のうち、もっとも強烈な引き締めに相当します。
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