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津田大介の「メディアの現場」
2023.1.27(vol.519/part1)
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──Don't lose your temper──
みなさん、こんにちは。津田大介です。
朝日新聞が1月30日に独自ネタでこんな記事を公開しました。
学校への脅迫、闇掲示板に関与ほのめかす投稿 サイバー犯罪の温床に
https://www.asahi.com/articles/ASR1Y4T7HR1TULZU010.html
記事中言及されている「恒心教」というのは、ネット上で匿名化ツールを使いなが
ら個人攻撃や学校や公共団体などを相手に爆破予告を繰り返しているグループのこ
とです。実態については弁護士ドットコムニュースのこの記事が詳しいです。
https://www.bengo4.com/c_23/n_12985/
https://www.bengo4.com/c_23/n_12986/
https://www.bengo4.com/c_23/n_12987/
https://www.bengo4.com/c_23/n_12988/
まさしくインターネット上のならず者集団という感じなんですが、この記事を読ん
で4年前の出来事を思いだしたので、それを書いておこうかなと思いました。
彼らはTor(トーア)と呼ばれる匿名化ツールを使って嫌がらせの書き込みをします。
2019年のあいちトリエンナーレ2019の一企画「表現の不自由展・その後」が炎上し
た際、愛知県内の学校や公共施設に爆破予告が何千件も届きました。どこから来て
いるのか調査していたのですが、IPアドレスを見ると(恐らく誰もが知っている有
名な)新興宗教団体から脅迫メールが大量に送られている。
おかしいと思ってその新興宗教団体のウェブサイトを見てみると、その団体への問
い合わせを行うメールフォームがあるんですね。メールフォームには自分の連絡先
メールアドレスを記載する欄が通常ありますが、脅迫メールの送信者は、そこに
「攻撃先」の愛知県の施設のメールアドレスを入れ脅迫メールを送っていたのです。
どういうことか。メールフォームを使って脅迫メールを送るとその脅迫メールは宗
教団体に送られるわけですが、きちんと送ったことを確認するため、自分の入力し
た連絡先に送信メールのコピーを送る機能がそのメールフォームには付いていたの
で、それを悪用してメールを送信したわけです。
こちらとしては脅迫者を警察に捕まえてほしい。となると、脅迫メール送信者が宗
教団体のウェブサイトのメールフォームで送信をした際に宗教団体のウェブサイト
にIPアドレスが記録されているはずで、そのIPアドレスを調べる必要がある。ここ
ではたと気づくわけです。その(一件厄介そうな)宗教団体に連絡をして事情を話
し、IPアドレスを提供してもらわなければならないと。この時点でかなり特定作業
に二の足を踏む人は多いだろうなと。実によく悪知恵が働いている。ここまで用意
周到にやっているのならもしIPアドレスやリモートホストをその宗教団体から提供
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