●世界情勢は混とんとして

【もくじ】 １）　与那国島のミサイル防衛 ２）　ウクライナ侵攻～～トルコの立場 １）　与那国島のミサイル防衛 青年向けマンガに『空母いぶき』（かわぐちかいじ作）という作品がある。同じ作者の作品には過去にも同じ架空戦記として『沈黙の艦隊』や『ジパング』がある。 『空母いぶき』が過去の２作品と大きく異なるのは、あまりにリアリティがあるという点だろう。 『沈黙の艦隊』は日本初の原子力潜水艦が反乱、逃亡しアメリカやロシアと戦闘をくり広げるというもの。 『ジパング』は海上自衛隊のイージス艦が、タイムスリップして太平洋戦争のまっただなかに出現するという設定。いずれも荒唐無稽な設定ではあるが、『空部いぶき』は、中国軍が尖閣諸島や与那国島など先島諸島に上陸、日本の自衛隊と衝突するというストーリーだ。 東アジアに緊迫感が増しているなか、リアリティある展開となっている。軍事情報に詳しいジャーナリストの恵谷治が監修を務めているだけによりリアリティがある（ただし、たびたび専門家から細かい間違いも指摘されているという）。 この作品に触れたのは、昨今の世界情勢、とりわけ台湾や先島諸島近海を巡る情勢が関係している。