日銀、負の遺産整理の道筋
6日付の日本経済新聞は、政府が次の日銀総裁として雨宮副総裁に就任を打診したと報じました。市場は黒田路線を踏襲するハト派と見て、緩和の早期修正はないと見たようです。しかし、雨宮氏は大規模緩和の副作用、日銀財務に与える影響を熟知していて、市場の期待とは異なり、早めの緩和修正に出ると見られます。
もっとも、黒田体制での10年間に積みあがった負の遺産は大きく、その整理には大きな困難が待ち受けています。特に700兆円を超える巨大資産はわずかな金利変動にも財務が揺らぐだけに、その整理の道筋を描けるか、大きな課題を背負ったスタートになります。
「資本金1億円で資産733兆円企業」
今年1月末の日銀の資産残高は733兆8千億円に達しました。日本のGDPの1.4倍近くに当たります。米国ではGDPが25.4兆ドルに対してFRBの資産は8.4兆ドルで、GDPの3分の1です。それでもFRBは巨額に膨れ上がった資産を何とか圧縮したいと、現在月に1400億ドルぺースの減額を進めています。日銀の資産は相対的にはFRBの約5倍ともいえる膨大なものです。
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