白馬社編集部と社会学作家・秋嶋亮の対談を収録した「週刊オンライン白馬社」の2023年1月の記事
をまとめて配信しています。
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★なぜ除染土の再利用試験は問題にならないのか★
福島の除染土が新宿や所沢に持ち込み再利用実験することが決まっている。でもマスコミも政治家も
これほど重大な問題について殆ど発信しない。住民も関心が薄い。なぜこんなことになるのか?これ
は何を目的にしているのか?編集部と秋嶋亮が知識と情報を駆使して解説します。
編集: 除染土が首都圏に持ち込まれるというのに、これほどの問題が取り沙汰されません。
秋嶋: 統一教会や防衛費の倍増などの問題がスピンとなっていたのです。こんな具合にある問題が
目立つとさらに重大な問題が目立たなくなることを「図地分化」と言います。
編集: 野党もこれに殆ど抗議しませんでした。
秋嶋: 社民党と共産党の僅か数名の議員が反対意見をツイートしただけです。そうやって「とりあ
えず抗議したのだ」とアリバイを作るようにひっそりとつぶやいただけです。そもそも野党も電力会
社のロビー団体である電気事業連合会や、電力会社の組合組織である電力総連などから選挙支援や献
金を受けていますからね。
編集: 野党も利権には突っ込めないわけです。
編集: もはや野党の集団凝集性(支持を取り付ける力)は、「野党は与党の横暴に抗い戦ってくれ
ている」という期待的な妄想だけです。ちょっと難しい言い方をすると、今や野党という言葉がクリ
シェ(意味を持たず機能しない言葉)化しているのです。
編集: 放射線核種が含まれる除染土を持ち込めばどうなるかは試験するまでもないのに。
秋嶋: 2007年に制定された「放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関
する法律」には、放射線により身体や財産などに危険を及ぼした場合は無期もしくは2年以上の懲役を
科すことが謳われています。だから人口過密地帯での除染土の再利用実験はどう考えても違法です。
編集: 3.11以降この国は無法地帯化しているのでしょうね。あれ以来、放射線に関わることの全て
がウヤムヤに処理されている。
秋嶋: 福島の児童の疎開請求も棄却されているし、汚染された食品の流通も野放しです。こうして
あらゆる人権侵害横行しているのです。そしていよいよアノミー(法律と倫理の同時崩壊)が除染土
の処理実験という形で国の中枢に及ぶのです。それにしても恐ろしいことは、環境省が除染土の安全
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