【真夜中の出会い】
「いらっしゃいませー」
店に入ると、複数人のホステスが同時に声を上げた。
「お一人様でしたら、カウンターへどうぞ」
言われなくてもカウンターに座るつもりだった。
みつおは自分の店とは異世界のスナックだと思って感心していた。
みつおの店とは違い、ここは若いホステスが沢山いたのである。
しかも、どこかのクラブかと思うくらい、美人揃いだった。
「みっちゃん、いらっしゃい」
さとしがみつおに気がついて声を掛けてくれた。
「何にする?」
「ビールで」
「はいよっ」
ボーイ姿のさとしはけっこう様になっていた。
「忙しそうだな、こんな時間でもいっぱいなんだ」
みつおの店は2時閉店である。
いつもは居残りの客がいるので、遅くなることが多かったが、その日は暇で早めに閉めたのだった。
さとしから店の名刺をもらっていたので、電話をして尋ねてきたのだった。
もちろん飲み屋なので、お客様としてである。
その店は4時まで空いているとのことだった。
「今日はどうだった?」
「今日は超ヒマだったよ、だから早く終わったんだけど、ここは忙しいんだな」
「だっからよ、いつも忙しくて大変だわけよ」
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