■執事のダンドリの秘密
日本にも執事はいる。具体的な仕事内容は、基本的には何でも屋
だ。世間でお金持ちと言われるお客様の要望に最大限応えること
だ。
仕事の特徴は、常に同時並行で仕事を進めているということだ。
「無茶ぶり」を受けることもしばしばだ。そこには、あらゆる仕事
に活かせるダンドリの秘訣が詰まっている。
たとえば「仕事をもっと効率的に終わらせたい」「飲み会の幹事を
頼まれて困っている」などの悩みも、ダンドリさえ工夫すれば解決
できることがたくさんあるはずだ。
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執事は、基本的に依頼主が望むことは何でもする。だから一度に複
数の仕事を抱えている。大事なことは「すべてまとめる」ことだ。
「一括処理」と呼んでもいい。
ある作業をしている時、一緒に片付けられることはないかを常に考
える。たとえば、得意先のお客様に電話をする用事があったら、そ
の後に別の人にかける電話も同時に済ませておく。
そうすれば「後で電話しなきゃ」という面倒事を一度に片づけられ
る。その結果、効率的になるし、精神的にも楽になる。この「一括
処理」こそあらゆるダンドリの基礎になってくる。
この考え方は、日常のルーチンワークはもとより、取引金額の大
きな商談やチームを引っ張ってプロジェクトを進めていく時、上司
の立場で部下や後輩を指導していく時などにも役立つ。
「面倒くさい」と思うのは、皆同じだ。だから、まとめられること
はまとめてしまう、いわば括処理するのだ。そうすることで面倒な
気持ちと葛藤する回数を減らせるのだ。
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ダンドリには、計画が不可欠だ。もちろん見通しを立てて計画通り
に遂行していくのだ。もちろん、計画どおりに進むことなどあまり
ない。むしろ、すべて計画通りに進むほうがおかしい気もする。
当初立てた計画を見直さなければならない時には「何をすべきだろ
うか」と考える。それこそが、ダンドリに必要な要素の2つ目「先
を読む」ことだ。
もちろん、100歩も先を読む必要はない。ほんの2~3歩先で十分
だ。ダンドリに特別なことは一切必要ないはずだ。それなのに、対
処できないのは慌ててしまうからだ。
重要なことは、トラブルが起きた時、急いで動くことではない。む
しろ、緊急事態だからこそ、落ち着いて一呼吸置くことだ。その上
で対策をいくつか考えてみて、先を見通してみることだ。
計画を立てても予定通りに進むことは少ないものだ。だからこそ、
はじめからより確実な方法を取っていくのだ。そうすることで、無
茶ぶりやトラブルにも対応しやすくなるのだ。
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仕事は完璧にこなすべきだ。これは執事の仕事に限ったことではな
い。どんな仕事も完璧にこなすからこそ、相手に喜ばれ、自分のや
りがいにもなるのだ。仕事は完璧であることがベストなのだ。
だからこそ、考えておくべきは「完璧」の意味だ。仕事においての
完璧というのは「自分が理想とする仕事を追求すること」ではな
い。相手の基準に合わせることだ。
しかも、その基準は100%満たす必要はない。だいたい70%~
80%で「このくらいなら合格」という最低基準に達していれば、
少なくとも相手にとっては「完璧な仕事」になるものだ。
その完璧を目指すために何より大切なことが「思いやり」だ。「相
手に喜んで欲しい」「満足して欲しい」という思いがなければ、ダ
ンドリはどこかでボロが出て、うまくいかなくなる。
以上が、ダンドリの3つのポイントだ。まとめると「一括処理」
「先を読む」、そして「思いやり」の3つだ。これこそがダンドリ
の根幹になることなのだ。
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