2023年 第6号 【長尾和宏の「痛くない死に方」】
長尾和宏です。昨日の東京は雪模様だったようですね。たいして積もらなかった
ようでよかったです。雪の翌日、凍った道で転倒する人が必ずいます。
僕も雪は大の苦手。雪が降ると、なんだかワクワクするというのは若い証拠でしょう。
春が待ち遠しい今日この頃です。尼崎では梅の匂いがほのかにします。
今週は、トルコとシリアの地震のニュースに胸を痛めています。
以下、ロイター通信より・・・・・・・・・・・・・・・・
[イスタンブール 10日 ロイター] - トルコ南部のシリア国境近くで6日発生した
大地震で、10日時点で確認された両国の死
者が2万3700人を超えた。
2011年に起きた東日本大震災・津波での死者・行方不明者の約2万2000人を
上回った。トルコ保健相によると、トルコの死者数は2万0213人に達した。
シリアで確認された死者も3500人を超えた。トルコのエルドアン大統領は10日、
地震への捜索・救助隊の対応について、「政府が望んでいたほど迅速でないというのが
現実だ」と語った。エルドアン氏はすでに震災直後の初動の遅れも認めている。
さらに、これまでに世界94カ国から支援の申し出があり、世界から集まったチームに
よる捜索や救助が続いているとし、トルコ政府は被災者の移転支援や家賃補助を行う
計画と表明した。また、シリアの国営メディアによると、アサド大統領は地震発生後
初めて被災地入りし、アレッポの病院を訪問した。アサド政権はさらに、震災の影響を
受けた内戦の最前線にある地域への人道的支援受け入れを承認した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここまで
震災の中出産した母親が死亡、その母とへその緒がつながった状態で生きて発見
された赤ちゃんがいた。瓦礫の中、息絶えた父親にくるまれるようにして生きて
発見された男の子がいた。この下の我が子がいると叫び続け、救助隊の手で我が子
が助けられると、狂わんばかりに喜ぶ母犬の姿を見た。
胸が締め付けられる。我が子を助けるためなら、自分の命はどうなってもかまわない。
それには、男も女も、国も、もはや人間も動物も、ない。
「ルフィ」のことはいいから、もっと海外の地震の報道に時間を避け、とも思う。
東日本大震災のとき、トルコは32人の救援隊を派遣。毛布・シーツ5000枚、ツナ缶
約4万缶、うずら豆缶約2万缶、水18.5トンの支援を受けた。
そのトルコは今、経済的危機にあり、世界中の支援が必要とされている。
そしてご存じのように、シリアではもう10年以上も内戦が続いている。
シリアは正式名をシリア・アラブ共和国という。フランスから独立したのは1946年。
今回地震被害にあった隣国トルコのほか、イラク、ヨルダン、レバノンそしてイスラエル
とも国境を接している。シリアが2011年に内戦を始めたきっかけは、当時チュニジア
で青年が政府に抗議し焼身自殺を図ったことに起因した「ジャスミン革命」(もはや懐かし
い響きでもある)。それをきっかけに、SNSで革命のうねりが始まり、各国に飛び火。
ここから雪崩のようにして革命が起きて、エジプトでも30年以上独裁を続けていた、
ムバラク政権が、さらには40年以上リビアで独裁を続けていたガタフィ政権も倒れた。
そう、これが「アラブの春」だ。
その市民の怒りの炎は、シリアまで届いた。シリア内戦が始まったのは、2011年
3月15日。東日本大震災の4日後。我々日本人は、この経緯を深く知る余裕はなかった。
革命を起こした市民たちの要求は、、令状なしで容疑者を拘束できる「非常事態法」の
撤廃、政治家の汚職の根絶、そして、自由。しかし彼らは「反政府軍」とみなされて、
政府側が市民に銃を向けるという「内戦」状態へと進展したのだ。
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