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佐々木俊尚の未来地図レポート 2023.2.13 Vol.742
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【今週のコンテンツ】
特集
日本のアニメと「成城石井」の戦略はどこか似ている
〜〜〜ホリゾンタルなビジネスと、バーティカルなビジネス
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
日本のアニメと「成城石井」の戦略はどこか似ている
〜〜〜ホリゾンタルなビジネスと、バーティカルなビジネス
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この正月休みでの映画興行収入ランキングで、世界で爆発的なヒット驀進中の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は日本では3位にとどまり、1位2位は『THE FIRST SLAM DUNK』と『すずめの戸締まり』というアニメ作品2作が独占したことが話題になっていました。
この理由についてはさまざまな推測がされており、それらをまとめた以下の記事などけっこう面白いです。
★【なぜ?】全世界135ヵ国で首位「アバター」続編、日本”のみ”3位スタートのワケとは一体…?今年一番の謎を徹底考察
https://taroimovie.com/avatar2/
この記事はこう書いています。
「なぜ日本で洋画作品が売れづらくなっているのか、その最も大きい理由は日本の自国コンテンツ、つまり邦画の存在感が非常に大きいと言うことが挙げられる」
他にも要因はあるのかもしれませんが、日本の映画作品、特にアニメの存在感が圧倒的であるということに同意する人は多いのではないでしょうか。振り返って見れば、わたしは昔から映画好きでしたが、以前はアニメなどほとんど観ていませんでした。雑誌『映画芸術』や『キネマ旬報』で紹介されるような文芸性の高い作品が好きだったのですが、気がつけば近年はアニメばかり観るようになっています。
これは余談になりますが、国産アニメが隆盛を迎えているいっぽうで、日本の実写映画は衰退するばかりです。
もちろん傑作や良作もたくさんあるのですが、いっぽうでメジャーな作品には「アイドル出しときゃファンが観るだろう」みたいな作品があふれてます。そしてアイドルが出せない低予算映画となると、同じようなシナリオの索引ばかりがあふれているのに驚きます。
わたしは『ぴあ』で映画評を書いていることもあり、毎月かなりたくさんの作品を試写で観ていますが、「都会に疲れてとある地方都市に流れてきた若者が、地元の人との触れあいを通じて成長する姿を描く」とか「街の片隅で、よるべない若者たちの心の交流を描く」とか、低予算映画はそんな設定の作品が異常なほど多い。いったいこの異様さは何なのだろうとも感じています。低予算でも、もっと面白い脚本は書けるだろうに……。
これはアメリカ映画ですが、いま日本でも公開中の『対峙』という作品。
★映画「対峙」公式サイト
https://transformer.co.jp/m/taiji/
舞台はどこかの田舎町の教会にある会議室。出てくる主要な登場人物は、たった4人。出てる俳優も渋い中年の男優女優で、演技は素晴らしいのですが、だれもが知るような有名俳優ではありません。つまりまったく予算はかかってなさそうな映画なのです。しかし全編にわたって緊迫感のある会話とほとばしる激情が交わりあって、すごい傑作になっています。こういう作品を観てしまうと、「映画は必ずしも予算じゃないよなあ」と深々と思います。
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