2月3日に雇用統計で分ったように、アメリカ国内の労働市場が
想定以上に強いので、「インフレの沈静化は予想以上に時間
がかかる」ものになりそうなのです。
さて、アメリカ国内では、「ティーム・スタグフレーション」派と
言って、「アメリカ国内のインフレは今後は二桁以上に高まって、
アメリカ経済は深刻な景気後退に陥ってしまう」と主張す
る人々もいるようです。
率直に言いましょう。
アメリカでは「スタグフレーション」「二桁インフレ」は
起きません!!!!(きっぱり)
その理由は、以下の三つ。
・第一に、マネーサプラーが1970年代と今とでは全く違いま
す。アメリカ国内のマネーサプライは1970年代は一貫して増
加を続けていましたが、2022年以降のアメリカでは一貫して
マネーサプライは減少を続けています。
・理由の第二は、70年代のFRBには「2%のインフレ目標」は
存在していませんでしたが、今のFRBには「2%インフレ目標」
が存在しています。
70年代の場合は、1971年に「ニクソンショック」が巻き起き
て、当時の大統領はドルと金との兌換を唐突に停止してしまいま
した。70年代のドルは金(ゴールド)という錨(アンカー)を失
って漂流、さりとて当時はまだ「インフレ目標」などという「しゃ
れた物」も存在していなくて、結果、当時のアメリカの人々の「期
待インフレ率」もアンカーを失い、漂流を続けてしまいました。
一方、今のFRBには、「2%のインフレ目標」が存在しています。
アメリカ国内の人々の期待インフレ率も漂流しません。
・さらにさらに第三の理由として、アメリカのコロナ対策として
の大型刺激策はトランプ時代のものも含めて、「わずか3年間だけ」
の「期間限定の放漫財政」でした。一方、「1970年代の二桁の
スタグフレーション」が巻き起こるまで、アメリカでは「およそ2
0年近くの放漫財政」が続けられました。ベトナム戦争が20年
間も続いたことはその象徴です。
以上、三つの理由から、2023年のアメリカではスタグフレー
ションは起きません。(きっぱり)
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