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『 田中優の未来レポート 』
第277号/2023.2.15
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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新たな未来への対策は
前回、「天動説から地動説へ」で、「二酸化炭素による地球温暖化説」に別れを告げて、私たち人類は宇宙の中の一隅に暮らしているに過ぎないものだという話をした。その中で起きる気候変動も、宇宙からの「宇宙線」の影響が大きく、二酸化炭素などの温室効果ガスの効果は限られていた。
そもそも宇宙空間の中の気温は絶対温度の少し上、マイナス270℃だという。そんな空間の中に漂うのがこの地球という惑星なのだ。それが運良く太陽に近すぎて「灼熱の惑星」とならず、遠すぎて「氷の惑星」ともならない位置にあるのだ。しかしどちらかと言うと「氷の惑星」に近いかもしれない。というのは太陽からの距離から計算すると、地球は本来マイナス17℃のはずだ。しかしそれを「温室効果ガス」がプラス15℃にしている。それはとてもありがたい効果なのだ。
その温室効果ガスの中の二酸化炭素が急増すると、本当に限りない温暖化が起こるのだろうか。
それについて、参考になりそうなデータがあったので紹介してみよう(図1)。
http://godfoot.world.coocan.jp/housyaritsu-keisan.htm
図1 二酸化炭素の放射吸収率
要は「地球から宇宙に熱が出ていくときに赤外線の波長で出ていくのだが、それを捉える二酸化炭素は濃度が増えると、飽和して急激に吸収しなくなる」というのだ。だから一定量の二酸化炭素濃度以上には、赤外線を吸収してくれない。そうなると二酸化炭素濃度が増えても、一定以上には温室効果がなくなることになる。どこまでも温暖化するわけではないのだ。
そして温室効果ガスの中で、二酸化炭素は大きいものではない。吸収力が大きいのは「水蒸気」の側だという。水蒸気は熱容量が大きいので、その分だけ熱を貯め込む性質がある。そして吸収する温室効果ガスの吸収バンド(吸収する範囲)を見ると、二酸化炭素と水蒸気は赤外線の波長が2.7マイクロメートルの範囲で重複している(図2)。
図2 ガスの吸収バンド
その分だけ飽和が近くなるだろう。それなのに二酸化炭素だけを「地球温暖化を起こす犯人」のように扱うのはおかしくないか。
おそらく危険なのは「温暖化」ではなく「寒冷化」だろう。二酸化炭素が問題とされるのは、温暖化するときには二酸化炭素の濃度も高まっているためだ。ちょっと図で見てみよう(図3)。
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