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日本の食料安保を脆弱にした主犯は経産省か農水省か

国家権力&メディア一刀両断
永田町異聞メルマガ版      「国家権力&メディア一刀両断」 2023.02.16                   新 恭(あらた きょう) ----------------------------------------------------------------------     日本の食料安保を脆弱にした主犯は経産省か農水省か     ---------------------------------------------------------------------- 2月6日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の野間健議員は岸田首相の施政方針 演説について、このように指摘した。 「岸田総理が施政方針演説で農業に言及した箇所は、1万1494字のうち121文字 しかなく、過去20年間の施政方針演説で最も少ない」 輸入肥料や飼料の高騰などで農家・酪農家が悲鳴をあげているというのに、岸 田総理は農業に関心がないのではないか、というのが野間議員の疑念であろう。 カロリーベースの食料自給率が38%にすぎず、食べ物はおろか種や肥料、牛や 豚のエサさえも他国からの輸入に依存するこの国で、アベノミクスの末路とも いえる円安が進み、高値で爆買いする中国に買い負ける傾向が強くなっている。 ただでさえ、世界はしばしば異常気象に見舞われているうえ、新型コロナウイ ルスの蔓延もあって、食料の生産、流通が打撃を受けている。そこに、世界の 小麦輸出の30%を占めるロシアとウクライナの戦争が起こり、穀物相場を押し 上げたため、他の食料生産国に輸出を渋る動きが出始めた。まさに、世界で食 料の争奪戦が起きているのだ。 岸田首相は巨額の防衛費を用意して米国から兵器を輸入する安全保障政策には 熱心だが、人間の生命の源である食料をどんな国際状況においても確保する防 衛手段の構築については、ほとんど何のビジョンもないように見える。 施政方針演説では「肥料・飼料・主要穀物の国産化推進など、食料安全保障の

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