■健康はテストステロンで決まる
最近「気力・体力が落ちた」「疲れやすい」「イライラする」「や
る気が出ない」といいう人は、男性ホルモンのテストステロンが少
なくなっているのかもしれない。
40代後半以降の人なら、更年期の可能性もある。当然、更年期は
女性だけのものではない。しかも、女性は更年期を抜ければ元気を
取り戻すことが多いが、男性はつらくなる一方ということもある。
意欲や行動力、決断力、意志の強さなどは、男性ホルモンのなせる
だ。「男性ホルモン」「女性ホルモン」と呼ばれる性ホルモンは、
両方とも男女どちらにも存在する。
女性が更年期を抜けると元気になるのは、女性ホルモンが減少する
一方、テストステロンが増えていくからだ。ところが男性の場合
は、男性ホルモンの分泌が20代をピークに年々少なくなる。
しかも、その減少の度合いはストレスで加速する。40代後半以降
になれば、仕事や人間関係、家庭のストレスが容赦なく追い打ちを
かける。それが、テストステロンをさらに減少させるのだ。
★
自然に任せていれば減っていく一方のテストステロンだが、治療を
受けたり、生活習慣を改善したりすれば、分泌が促される。その結
果、様々な不調も改善していくはずだ。
たとえば、ホルモン注射は一時的に不足したテストステロンを補う
のに有効な治療法だ。ただし、やはり自前のテストステロンにかな
うものはない。
十分な量のテストステロンは、漢方薬を使ったり、食事内容、質の
高い睡眠、運動習慣など生活習慣を変えたりすることで、自前で作
り出すことができるのだ。
生活習慣を見直せば、その効果はテストステロンの分泌量を増やす
だけではない。中高年以降に発症率が高くなる心臓病や脳卒中、糖
尿病などの予防にも役立つはずだ。
★
テストステロンを増やす上で有効な生活習慣を食事、運動、生活習
慣の面から紹介する。一つだけ実践するのではなく、複合的に取り
入れることが大切だ。
まずは3週間続けてみることだ。個人差はあるが3~4週間でメン
タルや身体に変化が出てくるはずだ。「なんとなく調子が悪い」と
感じる症状が和らげば、気分が前向きになり、意欲も湧いてくる。
そうなれば、活動的な生活を送ることもできるようになるはずだ。
その結果、テストステロンが分泌される好循環が生まれる。それで
も、変化がなく不調を感じるなら、早めに病院で受診すべきだ。
★
ホルモンの分泌は24時間周期で変化する。テストステロンは午前
11時にもっとも多く分泌される。こうした機能を司る生体リズム
を整えることが、テストステロンを増やすことにつながる。
生体リズムをコントロールするのが体内時計だ。体内時計を正常に
働かせるためには、朝食をしっかり食べることだ。朝食を食べれ
ば、眠っていた胃腸が動きだし、体温が上がる。
体温が1度上昇すれば、基礎代謝量は13%上昇すると言われてい
る。基礎代謝量が増えれば、分解される脂肪の量も増える。だか
ら、太っている人はテストステロン値が低い傾向にあるのだ。
朝食では、テストステロンの分泌につながる栄養を摂るべきだ。和
食は栄養バランスが良い。みそ汁、納豆、卵焼き、ひじきからタン
パク質や食物繊維、ビタミンやミネラルを十分に摂れる。
もちろん、洋食でもいい。朝食にパンを食べている人は、ヨーグル
トや卵、野菜サラダ、果物を加える。飲み物は、豆乳や牛乳を組み
合わせることだ。
なお、朝食を食べる時間がない時も、少なくともバナナ1本は口に
入れておくことがおすすめだ。食事を長時間摂らないと糖が体に入
らず、疲れやすくなってしまうからだ。
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