久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」
授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと
毎月第1-4 火曜日発行 vol.122 2023/02/21発行
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2.大人のミュージック&LIVE
>子供が不幸せになるロックと幸せになるロック
先日開催された墨田ジュニアアプリコンテストの審査員をした際、才能豊かな小中学生が、地元にたくさんいたことに驚き嬉しくなりました。
しかし、同時に、個性と才能に恵まれた子供たちが、同質化圧力の強い日本の風土と教育システムの中で、このまま伸び伸びすくすくと成長できるか、ちょっと心配にもなりました。
そこで、今回は、なつかしいロックの名曲の中から、子どもにとって最悪な環境を歌った曲と、子どもにとって幸せな環境を歌った曲を、一曲ずつ紹介しましょう。
1) Pink Floyd - Another Brick In The Wall
難解な歌詞と、ロックのようなクラシックのような曲調。プログレッシブ・ロックは、かつて、私のように頭でっかちで、流行りのポップスより、誰も聴かない難解な曲を好むロックファンの心をつかんできました。
そんなプログレッシブ・ロックの代表的なバンドのひとつがピンク・フロイド。
数ある名アルバムの中でも、メッセージ性が最も強いのが「The Wall」。その代表曲が、このAnother Brick In The Wallです。
この動画と訳詞を見聞きしてもらえば、おわかりいただけるでしょう。
この曲は訴えるのです。子どもたちを、国という大きな壁の中の、ちっぽけな一個のレンガに押し込めようとする大きな力を持つ存在を。親や教師が創り出す、教育から就業までの巨大な同質化システムが、子どもの個性を奪ってしまうことの愚かさと恐ろしさを。
これはちょっと昔の英国の話と片付けられないのです。むしろ、今、日本の教育システムこそ、前途ある子どもたちを、ちっぽけな一個のレンガ、いや一個の歯車にしてしまうのではないかと。
https://www.youtube.com/watch?v=Fa2AhZdjuUc&t=221s
2) Mother Nature's Son Paul Mccartney
The Wallで描かれた恐ろしいディストピア。その真逆を歌ったような、子供にとってのユートピアの曲。
それが、Mother Nature's Sonです。
ポール・マッカートニーが、ビートルズ時代に創った短いアコースティック・ギター弾き語りの曲ですが、これもプログレッシブ・ロックのように聞こえるのです。
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