【幼馴染】
夜の世界は楽しくて気がつけばあっという間に2年が経とうとしていた。
そのおかげでいろんな人が訪ねてくるようになった。
「いらっしゃいませ、あれ、山根じゃないか?」
「あれ?金城さん?自衛隊辞めたって聞いたけどここで働いてたんですか?」
「そうそう、もう2年近くいるよ、それより何でここにいるの?」
「実は去年から那覇基地に転属になったんですよ、それで松山で飲み歩いているんですけど、この店が気になって入ってきたんですが、まさか金城さんがいるとはビックリしましたよ」
「ビール?」
「はい、ビールお願いします、金城さんも一緒に飲みましょうよ」
「ありがとう」
山根は、自衛隊で大型免許をとりにいった時の同期である。
年は一つ下だが、気があって毎日基地内のクラブに飲みに行っていたのだ。
「あーら、みっちゃんのお友達?」
「そうなんですよ、自衛隊の時の仲間です。偶然に五番街に来たんですよ、ビックリしました
」
「そうなの?じゃ、ゆっくりしてってね」
ママさんがキッチンに入ってくる途中で話かけてくれたのだった。
若い人はあまり来ないので気になって見に来たのだ。
「みっちゃん、女の子付けないからサービスしてあげて」
キッチンから呼ばれて、小声でママさんに囁かれたのだった。
「はい、ありがとうございます」
ママさんは、お金の匂いがする人にはカウンターでも女の子を2、3人つけるのだが、ただのいちげんさんには冷たかった。
みつおの友達ということで安心したらしい。
スナックでは、ビールが1,000円、座っただけでチャージが1,000円、チャームと言ってお通しが1,000円なので、ビール1本飲んだらすでに3,000円になる仕組みである。
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