高齢者デモの厳しい事情
季節工4割は故郷を希望
リベンジ消費起こらない
バブル後遺症が国を潰す
中国はゼロコロナを打ち切り、年初からリスタートを切った。気の早い向きは、中国経済が再び世界経済を牽引するものと期待している。だが、3年間も行われたゼロコロナで、経済も生活も環境は大きく変っている。先ず、この現実をしっかりと見直すべきだろう。
3年間(2020~22年)に、中国で何が起こったかを確認しておくべきだ。
1)人口減へ突入したこと。
2)不動産バブルが弾けたこと。
3)ゼロコロナによる財政支出増と、土地売却収入の急減で地方財政が悪化したこと。
4)地方から大都市へ出稼ぎに来ていた季節工が、元の工場へ戻らず故郷で就職し、輸出企業の労働力不足が深刻化していること。
以上の4点は、従来の中国経済の構造を一変させていることに気づくべきである。中国がリスタートしたからと言って、これまでの成長路線へ復帰できるという甘い期待を持つことは、危険この上ないのである。
高齢者デモの厳しい事情
中国が大きな変化に陥っている現象の一つは、高齢者が街頭デモをしたことに見られる。デモのきっかけは、武漢市などの地方政府が推進する、医療補助の減額につながる医療保険改革である。その改革とは、強制加入の貯蓄制度である個人口座から、資金の一部が公的な保険基金へプールされることへの不満が噴出した。個人口座の余剰分の一部が、公的な医療保険のために使われるのは、高齢者が自らの貯蓄を政府に奪われると感じたからだ。このように、政府への信頼が失われている。
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