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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第508号2023.2.21配信分
●見せしめとしての有名人の違反並びに判決報道
奥山清行氏の速度超過(制限速度40km/hのところを128km/hで走行。
88km/h超過違反)は、幾多の問題を孕んでいる。その多くは未来の
モビリティに暗雲をもたらすものだと指摘できる。
山形地方裁判所の今井理裁判官は懲役4月、執行猶予2年の判決を
下した。新聞などの報道では、警察や検察からの発表をそのまま伝
える『発表報道』に終始している。
それによれば、山形市内の西蔵王高原ラインで奥山氏自身が所有
するエンツォ・フェラーリで走行。"制限速度40km/h"を88kn/hオー
バーしていたところ山形県警に検挙された。大要そういうことだが、
日常的にクルマを運転する者にとって、多くの?マークが付くので
はなかろうか。
まず、西蔵王高原ラインが山形市内であるのは間違いないが、現
場は市内という言葉でイメージされる都心ではない。首都圏で言え
ば箱根や日光などの観光道路と見るのが妥当で、40km/hという設定
は"何故?”指定速度に疑問が生じる。恐らくこれは箱根の大半で
施行されている全山40km/h制限と同じ設定。「観光道路はのんびり
走るもの」ということだろうか?
取り締まりに遇った昨年10月1日は土曜日。時刻は不明だが、交
通量はそれほどではなかったことは超過速度からも推測できる。人
通りが途絶え、タヌキしか表れないようなところで”ネズミ捕り”
を仕掛ける。法治国家である以上、法に従うのは当然という他ない
のだが、果たしてこれは正常な感覚に基づいて裁かれる違反行為と
いえるのだろうか?
時代は技術の進歩によって確実に変化する。クルマは戦後の日本
社会を支え続け、その成功によって現在の世界的な地位が分かりや
すい形で理解されている。技術といえば、ここ30年ほどの情報分野
での変革は目覚ましい。
例えば1990年代に登場したインターネットは、文字通り人々の暮
らしぶりを一変させた。web1.0時代は"海のものとも山のものとも"
世の大半が判断しかねたが、今やBI(Before Internet:インター
ネット)以前を思い出すのは困難だろう。次いでブロードバンドが
web2.0時代を切り開く。2007年のアップルiPhoneによるスマホ(ス
マートフォン)の発売は当初ピンとこなかったが、実質手の平サイ
ズのパソコンに他ならない普及は世界を変えた。そしてSNS登場
による情報革命は不可逆的に進み、さらにweb3.0へと歩を進めよう
としている。
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