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Open RAN外販競争。井伊ドコモ社長「芸風が違う」三木谷楽天会長「見下されている」 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.506

石川温の「スマホ業界新聞」
-------------------------------------------------------------------------------------- 石川 温の「スマホ業界新聞」 2023/03/03(vol.506) -------------------------------------------------------------------------------------- 《目次》 1.MWCで盛り上がりを見せた「Open RAN」 ----井伊ドコモ社長「芸風が違う」、三木谷楽天会長「見下されている」 2. 楽天「スペースモバイル計画」、ボーダフォンとノキアもASTのアンテナを展示 ----三木谷楽天会長「最初にASTにお金出したの、ウチですから」 3.MWCにファーウェイ、リチャード・ユー氏の姿ナシ ----モバイルを諦めて、リチャード・ユーが注力するもの 4.今週のリリース&ニュース 5.編集後記 -------------------------------------------------------------------------------------- 1.MWCで盛り上がりを見せた「Open RAN」 ----井伊ドコモ社長「芸風が違う」、三木谷楽天会長「見下されている」 -------------------------------------------------------------------------------------- 今回のMWCではノキアがロゴを変更し、Open RANに舵を切ろうとするなど、Open RANが話題の中心であった。数年前からO-RANに注目が集まっているが、景気後退もあって、思うようには進んでいない。まだまだ「様子見」のところも多いようだが、だからこそ、このタイミングで売り込みをかけているようにも見える。 NTTドコモはO-RAN事業に「OREX」というブランド名をつけた。すでにボーダフォンやSingtel、Dishなどと交渉しており、支援に向けた話し合いが進んでいるという。 一方で、楽天シンフォニーも、MWC期間中にプライベートイベントを実施。世界のキャリアに向けてのアピールに余念がなかった。 NTTドコモと楽天シンフォニーという日本企業がOpne RAN事業に参入していると言うことで、メディアとしてはどうしても両社を比較したくなってしまう。 しかし、NTTドコモの井伊基之社長は「楽天シンフォニーとは芸風が違う」と言い切る。 「彼らは買ってきて、売るというモデルだが、僕らは研究所などで技術を磨き、13社入れて、自分のネットワークで使って、その結果を他キャリアに売るというビジネスモデル。 検証し、サポーティング能力、フォローする能力を信頼してもらい、売るモデル。売り切るよりも、アフターもしっかり面倒を見る。 そもそも、会社の成り立ちが全く違う。全部とは言わないが、グリーンフィールドのように新しくやるところとは楽天シンフォニーのほうが相性がいいのかも知れない。しかし、ブラウンフィールド的に3G、4Gをやってきた人たちからすると『いったい、どうやって移行すればいいの』という話になってくる。ハイブリッドとなるとどうしたらいいのか。僕ら自身がそういう状態なので、そのノウハウを上手くシフトしながら、数%をOpne RANにするというアプローチをしている」と語る。 一方で、楽天の三木谷浩史会長はNTTドコモのOREXに対して「実績はあるんですか。お手並み拝見といったところ。もしかしたらうまく行くかも知れませんが」と一蹴する。 三木谷会長は「我々が世界で一番先を行っている。大きいテレコムカンパニーからの関心が寄せられ、一度試してみたいという要望がある」という。 楽天には「実績がない」という指摘があるなか、三木谷会長は「いろんな周波数帯域があり、いろんな機器があり、3GPPの仕様だけでなく、それぞれのキャリアに個別の使い方がある。 それらにすべて対応していかなければいけない。単純に動けばいいわけじゃない。いろんな機能をつけていかなければいけない。パフォーマンスも必要。実際に使ったとき、オートメーションやオートヒーリング、オートスケーリングが本当に動くのか。 動いたけど、消費電力が3倍では意味がない。みんなが昔、これは不可能だと言っていた理由は、それなりにある。いつかはほかの人もできるでしょうけど、結構時間はかかるのではないか」と、先頭を走っているからこその苦労を明らかにした。 では、Opne RANビジネスは儲かるものなのか。 三木谷会長は「仮想化の市場は、15兆円や20兆円になる。そのうち、全部が全部うちに来るわけではない。ここにはハードウェアも入っているが、うちはハードウェアは基本的にやらない。 利益率は高いビジネスになると思いますが、あとはしっかりデリバリーができる体制の構築が重要になる」とした。

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