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日本の国民にコオロギを食わそうとしているのは誰の画策なのか?~陰謀論を超えた食の絶望論が顕在化

今市的視点 IMAICHI POV
  • 2023/03/05
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*******************************************************       今市的視点 IMAICHI POINT OF VIEW     金融、経済、政治、企業といった領域でのニュースや     トピックスをテーマに独自の視点で鋭く切り込みます     ツイートアカウント @imaichitaro     よろしかったらフォローもお願いします。             3月5日号 ********************************************************** 日本の国民にコオロギを食わそうとしているのは誰の画策なのか? ~陰謀論を超えた食の絶望論が顕在化 ■ムーンショット計画の具体策が始まっているのか? 2020年1月に開催された「第48回総合科学技術・イノベーション 会議」で内閣府がムーンショット計画なるものを立案し、それが 走り始めていることは知っていますが、この計画の中には 2050年までの地球規模での持続的な食料供給産業の創出を 目指しており、微生物や昆虫の生物機能を活用したり、食料 の無駄をなくす解決法を開発するという項目が含まれて います。これが具体的に動き始めた結果が直近のコオロギ の粉を食べるという動きにつながっている可能性は高そうで すが、それも明確なものにはなっていないのが現状です。 国会では所管外のことについては一切何も答えないで有名な 存在となっている河野デジタル大臣がまさに所轄外の昆虫食 の領域で1年程前に徳島発のベンチャー企業が開発した食用 コオロギ養殖の乾燥コオロギとミックスナッツあえをメディア の前で食べて見せたことが今頃炎上の材料になっていますが 国民に全く知らせず暴走を繰り返す岸田政権が昆虫食の普及 に乗り出したという事実は確認できていません。一体全体 だれが煽動しはじめているのでしょうか。外圧がそうした 流れを醸成している可能性も否定はできないところです。 そんな中でコオロギの粉を学校給食で提供したり食パンに練り こんだりエアラインの機内食に提供するというすさまじく前のめり の動きもでており、実に拙速な日本的話題作りになっていること を強く感じさせられるところですが消費者の反応は当然複雑で 簡単に受け入れられる状態ではないことも見え始めています。 ■昆虫食の持続可能性は誰にも検証されていない そもそもですが、昆虫食は2013年に国連食糧農業機関が 早々と食糧危機の解決に、栄養価が高い昆虫類の活用を 推奨する報告書を出していますが、定常的な食料として 昆虫を利用するのであればどのように飼育するのか、また その餌となる昆虫などの並行飼育も必要になりますから 持続可能な仕組みを構築することが必須の状況のはずなの ですが、そうした枠組みの策定がどこの国でも全く実現 できていないという現実が重くのしかかります。 とくに特定の昆虫だけ大量飼育した場合に環境に与える 影響がどうなるのかについてはまったく研究が足りて おらず、我々が理解できていない複雑怪奇な生息環境に ついてももっと精査する必要があるのが現状です。 たいがいの昆虫は人が栽培している穀物のお裾分けで 生きているケースが多く、よくよく研究してみたら結局 穀物を栽培しないと昆虫が育たないという話もでてきそう で、それなら今まで通り穀物を栽培するほうが適切という 判断も働きかねない状況です。 食品として接収した場合にアレルギーなど健康に与える 影響をチェックすることも絶対必要で、この部分の研究が 進んでいない点も大きく危惧されるものがあります。 そこいらにいる便所コオロギを捕まえてきてぶっ叩いて 粉にしてご飯にかけて召し上がれのような拙速な対応は できないものだということを多くの人々が知る必要を 感じされられます。 ■食物としてのデファクトスタンダートになるには相当な時間がかかる たとえ上記のようなプロセスをすべてクリアして食物として 提供されることになったとしても、本当に人々が好んで食べる ようになるのか、つまりデファクトスタンダードとして機能 し始めるのかには相応の時間が必要となるのは言うまでもなく このかなりセンシティブな問題をどう解決していくかについて も相当な思案が必要になりそうです。 食物をめぐる本邦の対応を俯瞰からみますと、食料の自給率を 高めるという努力は完全に放棄されていますし、今も足元で 大量に発生しているフードロスを解消することもできないまま にコオロギの話だけが前のめりに登場するのは相当パラドキシカル なもので、食物供給と言う視点ではまず昆虫に着目するより 既存のプロセスの改善を精一杯やってみてからではないと この手の話は進まないことを感じる次第です。 直近の話題では牛乳が生産過剰に陥っており乳牛を殺すことが 国の喫緊の課題となっているのは流石に飽きれてものが言えない 状況です。生産された牛乳をいかに食品として活かすかを誰も 考えないまま、その一方でコオロギの食用を考えるというのは 誰がみてもまともな発想とは言えません。 人間社会は理不尽なものや一貫性の伴わない事象が多いこと はよく理解しているつもりですが、現時点での昆虫食の推進 はその違和感の最たるもので為政者が交代した途端に話が いきなりとん挫することも危惧されるところです。 FXのメルマガには既に書いていますがバイデンがいなくなると ESG投資やSDGs投資といったものは吹っ飛ぶ可能性は高く SDGsの延長線上にある昆虫食ビジネスも消滅する可能性を 考えておきたい状況です。 一部のメディアではコオロギを嫌うやつは陰謀論者である といった暴言を吐く不思議な評論家も登場していますが 昆虫食の話は陰謀論をはるかに通り越して食の絶望論の 領域に入っていることを感じます。食べ物の話は成熟化 した人間社会では極めてセンシティブで、かつクリティカル なものです。乗りや勢いだけでおかしな議論に発展しない ことを切に祈りたい気分です。

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