メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

§ ぶんぶくちゃいな § vol.455 § ハイエンド人材誘致競争:大事なのは頭脳か、頭数なのか §

§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ § 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな § vol.455 § 2023年3月4日発行 § 今週のトピック:ハイエンド人材誘致競争:大事なのは頭脳か、頭数なのか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3月に入りました。まだ数日が過ぎただけですが、日差しが明らかに春のそれに変わっ ていますね。とはいえ、外出するとまだ冷たい風に吹かれて震え上がってもいますが。 中国では、前回の454号で取り上げた「ChatGPT」(https://chat.openai.com/chat ) の話題が今も続いています。最初の「使ってみて驚いた」的な時期はすでに過ぎ、これ をいかにビジネスに活かすか/活かせるのか、あるいは中国国内でこれに負けないもの が作れるのかどうかといった話が中心になっています。 一方で日本人の間ではIT関係者や尖った流行ウォッチャー以外にはまだそれほど話題に なっているようには見えません。朝のオンラインラジオニュースでもほぼ取り上げられ ているのを聞いたことがなく、メディアが取り上げないんだから人々の興味も引かない よなぁ…と思っています。日本人のウォッチャーの中でもまだ「触ってみた」系のコメ ントが多い感じがする(もちろん、IT関係者はすでにもっと踏み込んでいるんでしょう けれど)。 こんなふうに世界的なトレンドへの日中間の温度差はこれまでたびたび感じてきました が、今回のChatGPTへの対応の違いは特に気になっています。面白いのは、メディア 関係者の間の感想です。わたしが見ている中国のメディア関係者の声からは「これをい かに活かせるか」というムードが伝わってくるのに対し、日本では「これがダメだ。あ れがダメだ。ふん、ダメじゃねーか」という声がすごく大きいんですよね。新しいもの へのスタンスの違いというか、好奇心の違いというか…一方ですぐ、「国産で」という 論調がもたげてくるのは中国であり、日本は「舶来物だし」みたいなぶっちゃけた態度 が透けている。 たぶん、これが「今後の取り組み」に大きな違いになって現れるんだと思います。もち ろん、中国はあまり過去の「お荷物」がない分、「なんでも使えるものはためそう」と いうスタンスになりやすい。逆に日本は伝統を大事にするあまり、まずは新しいものへ の欠点を見つけてその「未熟さ」に眉をひそめることから始まる。一方で中国はどーん とブームになってしまった挙げ句、政治の手がそれを抑え込むケースも多い。インター ネットやSNS、そして第三者ペイメントなんかにしてもそうでした。 でもわたしは「好奇心」って大事だと思うんですよね。人間、好奇心を失ってしまう と、前に進めなくなる。失敗するのが怖くなるから。今の日本はそんなふうに失敗を恐 れてばかりで、前に進めていない気がするんですよね。 もちろん、ChatGPTも使い方によってはまだまだ大ポカになる可能性は、わたしも実際 に使ってみて感じています。ChatGPTの答えと、わたしがきちんと調べた結果がぜんぜ ん違うという体験もしました。 でもそれは前回の「ぶんぶく」で許成鋼さんがおっしゃっているように、まだ「進化の 途中」なんですよね。もちろん、「出来上がった」ものを手にする嬉しさはあるのです が、「一緒に進化する」のも楽しくないですか? 今回のテーマである人材についても、そうだと思うのです。日本は「出来上がった」も のを追い求めるあまり、好奇心でさまざまな進化を遂げることを忌避していないか? ハ イエンドを求めるのもいいけれど、ハイエンドを育むための環境が揃っているのか?

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • § 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな
  • 現代中国社会を理解するのに役立つ話題をご紹介します。中国理解という目的だけではなく、実際に現地の人たちとの会話に上がるだろうトピックや、日本で話題のニュースに対する現地の視点など、日本のメディア報道にはあまり出てこないけれど知っておくと役立つと思われる点を中心に。(現在、通常隔週2号の他に、臨時号2号の月合計4回配信中です)
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎月 第1土曜日・第2土曜日・第4土曜日(祝祭日・年末年始を除く)