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第58回 G20で見えた各国の自国第一主義の裏側で、岸田外交だけが「アメリカ第一主義」の不思議

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 おそらく昨秋くらいからの現象だ。中国の外交関係者たちの間で「安倍総理の時代」を懐かしむ声が広がったのは。  外交の安倍と言われるほどの実績があったと筆者は思えないのだが、中国側の評価は案外高い。少なくとも岸田外交と比べれば「はるかに良かった」との評価らしい。  それは中国にとって「御しやすい交渉相手だった」という意味ではない。むしろ激しい火花を散らした難敵である。しかし、プロとして勘所をつかんで対峙する安倍と、基本スペックを備えていない岸田とでは、安定度が違ってくる。 また国益に対する強いこだわりのあった安倍とは違い、岸田は何をしたいのかわからないというのが中国の印象のようだ。 より具体的に言えば、自国の利益がいかに傷つこうが、危険度を増そうが、徹底して中国の嫌がることをアメリカの代理としてやっていると、中国の目には映るのだ。 直近では、G20(主要20カ国)外相会合(=G20)だ。G20には欠席したのに、クアッド(日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国の枠組み)の外相会合には駆け付けた林芳正外相の行動が典型的だ。

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