メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

「財務省」は如何にして総理大臣すら脅かす権力を獲得していったのか?~与党・メディア・経済学会・世論に対する工作~(研究編)

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
昨日ご紹介した、安倍回顧録で赤裸々に語られ、今、話題になっている総理大臣の権力をも上回る「財務省」の権力の原泉についての解説。 本日はその後編です。この後編では特に、それらについて筆者が京都大学の博士課程の学生も含めた大学院生達と進めた真面目な学術研究成果も交えながら解説いたしたいと思います。 是非、ご一読下さい。 …… ■財務省は経済学会の議論を如何にして、自分に都合のよい方向に歪めてきたのか■  財務省が何十年という長い年月をかけて行ってきた、経済学会を歪めるアプローチ(というか手口)は次の様なものです。  財務省は、自らの省の方針を決めるための「財政制度審議会」という審議会を設置しています。この審議会は、財務省のあらゆる行政の方針を決定する会議で、学者を中心として構成されています。消費増税すると言う話も、各省庁の予算をどこまでカットするかという話も、予算トータルの規模それ自身の考え方も、全てこの会議で決めます。  ただし、「決める」というのはタテマエに過ぎません。  実際は、財務省が基本的なシナリオを全て書いているのです。そして、「そのシナリオに反対せず、財務省の意向に唯々諾々としたがう学者連中」を審議会のメンバーに仕立て上げ、財務省が書いた基本的シナリオを、そんな学者達の口から発言させ、決議させるわけです。 そして、財務省は「政府・財務省とは独立の審議会に、客観的な視点からご審議頂いた結果、『増税すべき』『支出はカットすべき』『財政赤字は絶対ダメだ』だという結論が出たとのことでございます」という事にして、自分達があらかじめ決めたシナリオに「エライ学者先生のお墨付き」という権威を付与して、やりたい事をやろうとしているわけです。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 土曜日