白馬社編集部と社会学作家・秋嶋亮の対談を収録した「週刊オンライン白馬社」の2023年2月の記事
をまとめて配信しています。
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★ウクライナ戦争と日本の軍国化で儲ける人々★
防衛費の倍増が宣言され、敵基地攻撃ミサイルの配備が国民の同意のないまま決定された。日本の
軍国化はこれから更に加速し、いずれ平和憲法は解体されてしまう。ウクライナと日本に跨る国際
的な戦争経済の仕組みについて編集部と秋嶋亮が解説します。
編集: 岸田文雄が「国民に決意を求める!」とぶち上げましたが、軍国化の宣言のようでぞっと
しました。
秋嶋: <決意>という言葉が言外に意味するところは、軍事費を捻出するため重税に耐え、文教
や福祉や医療などの予算削減を受け入れ、預貯金などの資産を差し出し、基本的人権の抹消に合意
することです。つまり<決意>という言葉のコノテーション(言葉の裏の真意)とは、総力戦であ
り国民総動員体制なのです。
編集: もう戦前に回帰する気満々ですね。
秋嶋: 岸田政権は「世論説得」に取り組むそうですが、これはメディア・ナショナリズム(報道
機関による国威発揚)を利用し、防衛予算の引き上げに合意させる狙いなのだと思います。
編集: すでに新聞やテレビはそのような動きです。
秋嶋: ここで注意すべきことは、中国が脅威だから防衛力を強化するのではなく、防衛力を強化
するために中国を脅威と位置付けていることです。政府とマスコミは、台湾情勢や尖閣の問題をこ
とさら大問題のように言いますが、これはもう何十年も前から燻り続ける火種であり、今に始まっ
たことではありません。そもそも国境線を接する国同士の牽制やいざこざは日常茶飯事であり、改
憲や敵基地攻撃能力の保有の根拠としては余りにも希薄なのです。つまりこれは作為的に誤った認
識を議論の土台に据える「不当前提(論点先取)」という誤謬なのです。ここで言う誤謬とは、誤
った結論に導くための言葉の操作という意味です。
編集: この国の防衛議論は全くイカサマということですね。
秋嶋: それにしても最大の貿易相手国である中国に対しミサイルを配備するなんて全く気が狂っ
た話です。今後は日中関係の悪化があらゆる産業分野に波及し、貿易収支は大きなマイナスになる
でしょう。それだけでなくサプライチェーンが崩壊するようなことになれば、日本経済がさらなる
縮小に向かうことは間違いありません。こうして不況が恐慌に発展し、軍需に打開策を求める悪循
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