Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2023/03/13 第648号
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今週の目次
○「はじめに」
○「知的生産のためではない知的生産の技術」
○「シン・R-styleに向けて」
○「おわりに」
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○「はじめに」
春すなわち、花粉症のシーズンです。
毎年のことながら結構つらいです。ゲームで「デバフ」という表現がありますが、まさにデバフされている感覚。
鼻がズルズルいうのは100歩譲って我慢できるとして、目がむずむずするのは原稿に集中できなくなるので非常に bad です。
とは言え、シーズンに入る前に確定申告を終わらせられたのは僥倖と言えるでしょう。この二つが重なったらもはや地獄という以外にありません。今後は3月冒頭にはあまり業務を詰めすぎない"マネジメント"を為したいところです。
ちなみに、初めて花粉症用の目薬を買ったのですが、たしかに目のかゆみを抑える効果がありました。普通の目薬よりもちょっとお高いのですが、その分の価値はありそうです。
〜〜〜リスキリング〜〜〜
最近「リスキリング」という言葉がビジネス界隈で流行していて、この言葉を見つけるたびに「リスを殺すなんてかわいそう」などと思ってしまうのですが、それはさておきこういう流行は中身を伴わないのがよくあるパターンです。
で、この場合「リ・スキリング」と言うけども、一度目のスキリングってどうだったのよ、という部分が完全に空白になっています。日本の会社員の場合、大卒でまったく白紙のまま会社に入って、そこから会社での仕事を通して能力を身につけるというルートが"伝統的"だったはずですが、その流れで言えば、リスキリングするためにはそのための業務を再び経験することになるでしょう。もちろん、そんなことがイメージされているはずもありません。
ということは、労働者が自分で勉強してスキルを身につけることになるわけですが、あたかもそれが簡単なことのように理解されているとしたら大失敗が待っているでしょう。
2〜3冊のビジネス書を読んで何かしらのスキルが得られるなら、リスキリングも簡単に実践できるでしょうが実際そんなはずがありません。そもそも大学という場所は、「自分で勉強(study)していくための力」を得るための機関なわけですが、いわゆるFランと呼ばれるような大学においては「ともかく卒業する」が学生の願いであって、そうした力が身についている事例は少ないのではないでしょうか。
そうなると、高校以前までの「前に先生がいて、生徒はその話を聞き、板書をとる」というのが学習の唯一のモデルとなります。しかし、仕事の現場で使えるスキルはそういう形で学べるものではないでしょう。
結局、リスキリングの前提となるスキリングの基礎的な能力がないと話が成立しないのですが、そうした観点がこのブームでどこまで考慮されているのかは見えてきません。
あるいは、板書モデルにおいてリスキリングをブームにすれば、「スキル・コンテンツ・ビジネス」が儲かるからよいよね、というコンセンサスがどこか上流で生まれているのかもしれません。これもよくある話ではあるでしょう。
ひとりの人間が職業人生において、常に学び続けていかなければならない、ということは概ねまっとうな話だとは思います。しかしだからこそ、それを支援する制度は、その「学び」についてまっすぐ見据えていなければなりません。でなければ効果的な制度など作りようがないでしょう。
でもまあ、このリスキリングの流行は、昨今の独学ブームの潮流と混ざり合いながら中規模の産業領域を生み出していくのではないかなと個人的には予想します。
〜〜〜noteの新機能〜〜〜
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◇エクスポート機能について | noteヘルプセンター
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