「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」
vol.45「国枝選手に学ぶ、世界で戦うために必要な心の強さとは?」
【今週の目次】
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1. 成美のつぶやき
└ 「国際女性デー」にあった嬉しい発表
└ 日本人女性3人目の宇宙飛行士
└ 2026年に目指す「アルテミス計画」
2. 国枝選手に学ぶ、世界で戦うために必要な心の強さとは?
└ プロチェアテニスプレイヤーとしての偉大なる功績
└ 「絶望したことはない」あるがままを受け入れる強さ
└ テニスとの出会い。友人のおかげで築かれた「車いす操作」
└ 海外遠征でのある衝撃が、競技人生を本気にさせた
└ ランキングが1位でも、完璧な選手になれたわけではない
└ “魅せるテニス”にこだわってきた競技生活
└ グランドスラム通算50度の国枝さんのこれからとは?
3. 小松成美の心に残る、あのフレーズ
4. お知らせ
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1. 成美のつぶやき
「国際女性デー」にあった嬉しい発表
皆さん、こんにちは。
3月8日は「国際女性デー」でした。
女性の社会参画を願う日として国連が定めた「国際女性デー」は、イタリアでは「ミモザの日」とも呼ばれており、男性が母親や奥さん、会社の同僚など、女性に日頃の感謝や尊敬の気持ちを込めて、ミモザをプレゼントします。
3月の初旬に取材で欧州に滞在していた頃、私もミモザの花をもらったことがあります。
愛と幸福を呼ぶと言われるミモザ。この、可憐なミモザの花を贈る習慣によって、3月の初旬になると街は鮮やかな黄色のミモザ色で溢れかえり、明るい雰囲気に包まれます。
1975年、国連によって制定されたこの日は、国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、女性が達成してきた成果を認識する日だそうです。
20世紀初頭に現れた労働運動をスタートとする「国際女性デー」の歴史と意義は、以下のサイトに詳しくありますのでご覧ください。
国際連合広報センター 国際女性の日(3月8日)制定に至る歴史とは
「女性の社会参加と地位向上を求める」ために提唱されたこの日を前に、日本でもとても嬉しいニュースがありました。
13年ぶりに実施された宇宙飛行士の選抜試験に、日本赤十字社医療センター勤務の外科医である米田(よねだ)あゆさんが合格したのです。1995年生まれ28歳の米田さんは、東京都出身。2019年、東京大学医学部を卒業後、東大附属病院で勤務し、2021年からは日赤医療センターに入りました。去年10月から現在までは虎の門病院で働いています。
米田さんは、向井千秋さんと山崎直子さんに続く3人目の日本人女性宇宙飛行士です。最年少宇宙飛行士であり、同時に、訓練を受けた後には唯一の現役・女性宇宙飛行士になるのです。(現在、現役日本人宇宙飛行士は6人いて、全員が男性。)
日本人女性3人目の宇宙飛行士
今回、JAXAの宇宙飛行士募集には過去最多となる4127人が応募しました。
米田さんは、初の日本人女性宇宙飛行士である向井千秋さんに憧れて、宇宙を目指したそうです。
きっかけはお父さんが買ってくれた向井さんを描いた漫画。慶應大学の心臓外科医だった向井さんがJAXAの試験を受け宇宙飛行士になる姿に感動し、自身もいつか宇宙飛行士を目指したいと考えたそうです。
神戸女学院中学部時代にはテニス部で活躍し、全国大会に出場する選手でした。高等学部時代は、スイスへの留学を経験し、ボランティア活動に取り組み、その後、東大医学部に進学します。
国家試験に合格し、医師となった後も宇宙への思いは消滅しませんでした。
今回の募集は、アメリカのNASAが主導する月探査「アルテミス計画」に参加する宇宙飛行士を視野に入れたものでした。米田さんは月への想いをこう語っています。
「2年前に飛行士の募集開始を知ったのは、たまたま月食の日。街ゆく人たちが交差点で月を見ているシーンがありました。憧れの月に行けるのなら挑戦しない選択肢はない、と受験を決意していました。私も月に行きたいし、月から見た地球はどう見えるのか、そういうところにも興味があります」
狭き門を突破しての合格の報には、「驚き、喜び、身が引き締まる思い、感謝の順に気持ちが流れていった」と語った米田さん。医師である自身の使命も言葉にしていました。
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