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渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4560号 令和5年3月10日(金)発行
発行部数 11,471 部
【まず第一に、実事がなければならない】
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【まず第一に、実事がなければならない】
本章は、「食ふ」「愛する」「幣(おくりもの)」「実」と、
一節ごとに根本に向って深くなりますが、
もし実践の順序を説くならば下から逆に説くとよいでしょう。
すなわち、その第一は「実」であります。
実とは実事
——賢者を招くための具体的問題です。
賢者を招聘するに当り、
まずそのための実事がなければなりません。
燕の昭王が賢者を招くためにまず黄金台を築いたり、
蜀漢の劉備が孔明を迎えるためにみずからその家をたずねたという類が、
賢者を招くための実事を示したものです。
もし実があるならば、おのずから賢者に恭敬の態度となり、
幣、贈物を用意するようにもなります。
賢者を愛するとか俸禄を与えるとかいうことは当然のことで、
これを問題とするに足りません。
この主旨は、ただ君主が賢者を招く上の問題であるのみでなく、
学生が師に就こうとする時の態度も同じことであります。
今、学生が師に就こうとする上でいってみるならば、
師に就く前に、まず実心、真に師に就きたいという真心が定まり、
実事、どうして師を求めるかという具体的問題も立って、
その上で始めて師のもとに赴いて入門を願うべきであります。
およそ学問上の要訣は、みなここにあります。
ですから、したいと思いながら行きつけず、
してみたがうまくできないので、発憤して学問に志し、
そこで師を求めてこれに就くという態度であれば、
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