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「田舎者根性」という問題、そして、それを導いた「貧困」という現実。この哀しみを乗り越えるために何が必要なのか。

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
とある地方都市の鮮魚市場でのこと(今来ている北海道ではありません)。そこは、ご飯を一膳買い、その上に、いろんな新鮮な海鮮、マグロやトロ、ホタテや牡蠣、甘エビやイクラなどを一切れずつ買ってのせ、セルフメイドのどんぶりをつくって頂く、という趣向の市場がありました。 そこはたくさんの観光客が訪れており、大層な人気ある、その都市も、街をあげて内外にアピールするほどの主力観光スポットの一つになっているようでした。 当方も、折角なのでということで、ご飯を一膳かって、いろんなものを載せて頂くこととしました。 で頂いたところ、上に乗せたお刺身はいずれも素晴らしかったのですが、ご飯が美味しくない……というよりむしろ、水の量なり炊き込み時間なりの設定が間違っている、「ご飯」とすら言い難い代物だったのです。 当方、折角なのでどうにかこうにか、玉子やとろろをまぜ、これはご飯ではないと自らに言い聞かせつつ(お陰様で、もともと凄く少な目でお願いしていたこともあり)、最期まで頂くことができたのですが、食後に回りの観光客の方にもお聞きすると「ご飯、凄く美味しくないですね……」とのことでした。 当方はどうにかこうにか頂くことができましたが、他の観光客の方がコレを食べるのは誠に気の毒に思いました。が、当方が最も心配したのは、この市場の方々です。 せっかく美味しいお魚を出しているのに、肝心のご飯が美味しくなければ、もうこんな所には二度と来ない、と思う方がたくさん出てくるのは確実です。そうなると、ただでさえ相当疲弊し、衰退、貧困化が激しく進行してしまっているこの都市が、ますます疲弊してしまうことになってしまいます。 国土強靱化なり地方創生なり、モビリティ・マネジメントなり、まちづくりなりといった様々アプローチで、日本全国の疲弊為続けている地方を何とか再活性化したいと日々願っている当方としては、この「失敗ご飯」を出し続けておられる状況は、この都市の発展にとって、僅かなことではありますが、それなりの悪影響があるに違い無いと確信しました。

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