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【Vol.473】冷泉彰彦のプリンストン通信『銀行破綻と米経済の諸問題』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「高市早苗氏の問題を多角的に考える」  高市早苗氏の周囲が騒がしくなっています。問題は次の8点に集約されるよ うです。 1)高市氏が、安倍政権の総務大臣時代に「TV局への停波圧力」を強化しよ うとして不適切な会話をしたかどうか、仮に会話が真実なら言論弾圧であり、 高市氏はポイントを失う。 2)これに対して、高市氏は「記録は捏造」としていたが、総務省筋から記録 はホンモノという情報もあって、高市氏はここでも失点。 3)議員辞職のタンカを切った問題は、安倍晋三氏の前例があるので「そうい う強い言い方は忖度や自殺者を出すので真面目に取るべきではない」というロ ジックで逃げ切れるかも。 4)暴露した小西洋之議員は、仮に記録がホンモノであれば、公文書漏洩にな るが、仮にニセモノであれば、暴露が虚偽となるというパラドックスの上を歩 いているものの、全体的に「自分が有利」的な雰囲気に。 5)では、小西議員が加点したとして、立憲など野党が勢いづくかと言うと、 統治能力欠如の問題は日増しに露骨になっており、そんなことはない。 6)状況証拠からすると、このドラマのメカニズムとしては、高市氏の力を削 ぐことで、「総理候補として派閥に入ってこられると困る」清和会と、「政権 運営のためには今の清和会が落ち着いて当面自分を支持してくれる必要」のあ る総理周辺の双方に大きなメリットがありそう。状況証拠的には両者が結託と 考えるのが自然。 7)仮説になるが、6)が本筋だとして総務省のどこかで「忖度」があり、小 西議員を利用してのリークがあったと考えるのが合理的。 8)原点に戻るとして、高市氏は「記録は捏造」と言い続けることで「あそこ までの言論弾圧は今のご時世では嫌われる」という時代感覚を見せている。そ れはそれで非常に風見鶏的であるものの、そこが世論から徹底して見切られて 「いない」点になっているのかも。基本的にはイデオロギー的には「真空なミ ーハー」である同氏としては、今回も政治家としては延命か。  ということですが、説明していてチッとも面白くありません。仮にこのスト ーリーが「当たらずとも遠からじ」であった場合の、清和会と岸田周辺の「小 者(こもの)感」というのは半端でないからです。こんなことでは、難局に対 処することなど、全くできそうもありません。困ったものです。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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