■■フロー効果も加味すれば、インフラ投資の縮小は日本経済を破壊した真実が見える■■
ここで改めて、以上に述べたストック効果とは別の「フロー効果」について改めて解説しておくこととしよう。フロー効果は政府が巨額の投資資金を市場に注入する事によって生ずる経済効果だ。そもそも経済成長とは一般にGDP(国内総生産)の増加率だ。そして、GDPの一部を構成するのが政府投資額だ。したがって、政府投資額の増大はそのままGDPの拡大、つまり経済成長を意味する。これがフロー効果である。
しかも、政府が例えば1兆円の投資を行えば、それだけでその「瞬間」にGDPは1兆円増えるが、「中長期的」にはそのフロー効果はさらに拡大する。なぜなら、その1兆円を取得した法人や個人が、それを使って別の消費や投資を行うからだ。
こうした効果は一般に乗数効果と呼ばれるが、通常1兆円のインフラ投資はトータルで2~3兆円程度のGDP拡大をもたらす。つまり、インフラ投資を10兆円増やせばGDPは20~30兆円程度増えるのだ。
ここで図6をご覧いただきたい。
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