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【Vol.344】「2023年・冬 日本出張紀行(1)」

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明
2023/3/17 Vol.344 「2023年・冬 日本出張紀行(1)」 長い長い日本出張が終わりました。在ニューヨーク22年の自分が今、母国に帰って感じたこと。今回も書き綴って行きたいと思います。なにより、日本の素晴らしさ、アホらしさ、その両方を伝えていけると思っているので。 つれづれなるままに、思いついたことを書いていきます。コンセプトも回収もない。自分が感じた2023年の母国、日本について。 今回の出張のメインの目的は、日本各地での出版記念セミナー。出版記念といっても発刊したのは昨年9月、もう半年近く経過しています。そこはニューヨーク住まいで、かつ零細企業の経営者。すぐには帰国できず、かなり間の抜けたタイミングになってしまいました。それでもSNSのおかげで、岡山、大阪、大阪、東京、東京と5拠点、すべてありがたいことにsold out。一会場平均100名の参加者がすでに申し込んでくださっている現状での帰国となります。 近年、日本のみならず世界的にSNSにおけるストレス等がかなりクローズアップされています。そういう僕も、SNS疲れをここ10年くらいは感じているかもしれません。だとして、なにか情報拡散が必要な際は、コスト的な意味合いも含め、これ以上のツールはない。SNSがなければ、無名の作家のセミナーなんて誰も来てくれない。やっぱりどう考えても恩恵もあるわけです。SNSでのストレスからは逃げたいけれど、拡散したい情報の発信もしたい。そんな都合のいい贅沢は不可能。やはりこの仕事をしている限り、SNSからは逃げられない。そしてそのSNSのおかげで、集客を心配しなくてもいい状態で当日を迎えることができました。 日本までの飛行機でふと不安になったのは、コロナのこと。ニューヨークでは誰一人マスクをしていない現状です。ニュース等を見ている限り日本ではみなさんマスクをしている。ではコロナ感染者は増えているのか。にもかかわらず、居酒屋では騒いでいる様子を映像で見たこともある。至近距離で呑んで騒いで、店を出る際にはマスクを着用する。やっぱり世界から見ても、摩訶不思議な現象です。 今回、講演会以外でもクローズのセミナー、パーティー、他多くの人と接触することになる。コロナに感染したからと言って、死ぬことはないけれど、その時点でもう人と会うことはできない。5公演の最初の岡山の時点で200名以上の方と握手し、近距離で写真を撮ることになる。もし、そこで感染したら? 残りの大阪2公演と東京2公演はキャンセルになってしまうのか。そりゃそうだ。しかも今回は5公演とも主 催者は別にいます。自社が開催するイベントではない。アメリカと違って、契約書を交わしているわけではなく、あくまで口約束でのイベント開催。だからと言って、会場なり食事なりを先方は予約しています。コロナによるキャンセルで違約金等は発生するのか。うーん、でも考えてもしょうがないな、とりあえず当日、現場にいくしかないよな、そこで人との接触は主催者のレギュレーションに任せるしかないよな。だからといって、東京の 2会場以外、主催者はプロのイベンターでないわけで、そんなレギュレーションなんて厳密に考えてないだろうことは想像に難くない。ま、今、考えてもしょうがないか、なるようになれ、だな。。。そんなことをふと考えていました。 で、気が付いたのは、この「ま、今、考えてもしょうがないか、なるようになれ」こそが、今の日本全体を覆う空気なのかなとも思います。批判しているわけではなくて、それ以外に方法がない、ということが理解できる、という意味です。で、後になって責められることを最小限にする保険こそが「マスク着用」なのではないか、と。感染予防の為のマスクではなく、他者に向けての、最低限の「気にはしていますよ」アピ ール。もっと言うなら、感染後の非難を最小限に抑える為のエクスキューズグッズ。それを一部の人たちだけでなく、国を挙げてやっている。。。やはり、世界から見ると、不思議な国でしかないはずです。共通認識の中、暗黙の了解で回る社会。素晴らしさと窮屈さが背中合わせの微妙なバランスで成立するソサエティー。色々と大変だぁと思ってしまいました。まだ機上の段階で。まだ感染もしていないのに。 さて、機内。毎度のごとく、日本出張前後はニューヨークでの仕事のしわよせがくるので、極度の睡眠不足のまま飛行機に乗り込みます。ちなみにコロナ禍以降、国際線に関しては基本エコノミー席での移動です。やはりコロナの影響を少なからず受けているので、社員の手前、ビジネス、ファーストでの移動は気が引けます。そしてそれ以上に、コロナ以降の飛行機は基本ガラガラなので、経験上、エコノミーでも隣の席を 含め、3席まるまる空いていることが多い。3席をベッドにして横になれば、結果、ビジネスクラスより身体がラクだと気づきました。なので、エコノミー席でもそう暗い気持ちにはならない。(前々回の出張時、JFK空港で二人組の女性に声かけて、写真ご一緒にに撮った後、彼女達はビジネスクラスの列へ、僕はエコノミー席の列に並んだ時はそのまま死んでしまいたかったけど) 今回も日本までの14時間、座席で横になって寝ようと思っていたところ、2つ隣だけアメリカ人のおばさんが座っていた。と言っても全体的に空席が目立つ機内、飛び立った後、しばらくしたら彼女は席を移動するに決まっている。彼女にとっても同じ列に日本人が座っているより、まるまる誰も座っていない3席に移った方が気楽だからだ。ところが、離陸して飛行機が安定状態になっても、一向に動こうともしない。ま さか他の席が結構ガラガラだということを知らないはずはない。14時間の機内時間なのだから、人種国籍問わず、誰にとってもいかに快適に過ごすかは結構な案件。それでも彼女は動かない。このままだと横になれない。1時間経っても、2時間経過しても一向に移動しない。、、、だからと言って、日本人の僕は何も言えない。これがニューヨーカーなら完全に言ってるはず。「席、移動したらどうだい?  お互いラクになるじゃないか」 と。

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  • 全米発刊の邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人、高橋克明です。新聞紙面上や、「アメリカ部門」「マスコミ部門」でランキング1位になったブログでは伝えきれないニューヨークの最新事情、ハリウッドスターとのインタビューの裏側など、“ イマ”のアメリカをお伝えします。
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