引き締めは一番弱いところから効いてくる
米国の中央銀行FRB(連邦準備理事会)がインフレ抑制と金融不安解消の「また裂き」にあっています。FRBにはインフレ対応が後手に回ったとの負い目があり、政府のインフレ抑制要請もあって、昨年3月から近年にない急激な金融引き締めを行いました。それでも経済、労働市場の好調が続き、インフレの高止まり懸念が排除できない環境が続いていました。
このため、FRBのパウエル議長は先の議会証言で、12月に想定した金利予想を超える利上げを実施し、高い金利水準を長期間維持する可能性を示唆しました。市場はすっかり利上げ強化とみて反応、2年国債は一時5%台に乗せ、利上げ懸念で株価は下げました。
ところが市場が一段利上げ強化に備え始めたその時期に、カリフォルニア州ではシリコンバレー銀行が大量の預金引き出しに会い、預金支払い不能に陥りました。このため保有債券を売却しましたが、そこで18億ドルもの売却損が発生、FDICは10日、シリコンバレー銀行の閉鎖を命じました。なかなか効かないと見られていた金融引き締めが、思わぬところで金融破綻をもたらす「効果」を見せていたことになります。
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