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金融不安後のマーケット

角野實のファンダメンタルズのススメ
  • 2023/03/19
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金融不安後のマーケット おはようございます 土曜日の朝、新幹線に乗るためにバスに乗っていると、卒園式と思われる園児親子が何組も乗ってきました。生憎の雨でしたが、何がこれから始まるのかわからないのでしょうが、おめかしをしてお出かけするボクちゃん、おねぇーちゃんの軽い足取りになんとなく感動を覚えてしまった角野・・・ なんの根拠もなく彼らの未来は希望にあふれているのだろうな、なんて思ってしまいました。なんとなく素敵な光景でした ■金融不安について SVBに続き、クレジットスイスまで波及をしましたが、米政府の対応、そしてスイス政府の対応で終了をしたと思います。ただし、主に債券市場を中心に荒れ相場が続いていますので、この流れの中でどこか経営がおかしくなる金融機関が出てもおかしくはない、ということが金利利回りの低下、つまりリスク回避から株などのリスク資産を手仕舞い、安全資産である債券買いが主流になっているだけ、の話ととらえています。 先週もお話をしましたが、巨大金融機関が倒産するようなことは、当局が防止するためにさまざまな監査を行い、ストレステストを行い、というような各種検査項目があるので、絶対とは言い切れませんが、ない、と思います。前にもお話したように日本の大ヒットドラマ、半沢直樹はUFJ銀行を舞台とした、金融庁検査の検査忌避、のノンフィクションです。要は金融庁検査を逃れるために、片岡愛之助演じる金融庁監督官と、銀行員である金融検査忌避をしたい半沢直樹との争いです。 この結末は一応、UFJ銀行の名前は残っていますが、事実上、三菱銀行に吸収合併された形になっています。半沢直樹はドラマ上、ヒーローになりますが、金融行政からいえば犯罪を行っているのであり、検査忌避は役所の指導に従っていない証拠になりますから、吸収合併をされているということです。 アメリカでも大手銀行は同じような処遇であり、さまざまな規制があり、規模に応じたコストを支払うことになります。 なぜ、このような厳しい規制があるかといえば、今回のような取り付け騒ぎが起こった場合、たとえばリーマンブラザーズが倒産することによって世界的な金融危機が起こったので、倒産しないようにさまざまな検査をして、倒産リスクを減らしたい、という当局の思惑があるからです。 つまり世界景気を揺るがすような巨大金融機関の場合、今回のクレジットスイスのような国際的な銀行の経営不安が起こった場合には、政府が公的資金を注入することはわかりきっていることなのです。個人的にはクレジットスイスが経営不安? ということに対してはものすごく疑問を感じます。理由は上記に示しているように、大手金融機関というのは政府の干渉をモロに受けているはずであり、これが倒産となると第二のリーマンとなり有権者から大きな批判を浴びることになるからです。あり得る訳がない心配を、マーケットはしているよね、と思います。 SVB銀行の場合は全米13-19位とバラバラの評価ですが、ま、巨大金融機関と比較すれば大した規模ではない、これは日本の13-19位の金融機関と聞いて思い浮かべることができますか? と話したことと同じことです。マーケットが過剰に反応をしただけの話です。 つまり、今後、中小の金融機関が経営不安や倒産などをする可能性はありますが、FRBの短期資金の融通によっておそらく収束することになると思います。参考までにFRBの貸付金が過去最大になったと何度も話題になりますが、9割以上の金融機関は融資してもらったお金の返済期限を2週間以内としています。つまり、来週か再来週には収束するとみているので、非常時のお金を備えただけの話です。噂によっていつ取り付けが起こっても仕方がない状況を勘案するとリスク回避行動をとるのは経営として健全だと思います。 日本の場合も地銀や信組、信金などが多いです。これで、今、注意すべきことは、ゆうちょ銀行の政府保有分の売却や商工中金などの民営化、これで財政補填をするのでしょうが、これによって地銀がどうなるのか、よく考えてほしいと思います。地銀投資ブームと言いますが、足を使って営業するスタイルはAIにとって代わり、地域に密着している金融機関を探す方が難しい地銀などに将来性があるのでしょうか? とい うことです。AIに融資判断をさせ、運用は国債運用であれば別に地銀など、ではなくてよいでしょ、とか素人ながらに思います。ご存知のように地銀などは金融庁から国債運用に関して批判的な声明を何度も受けています。ゆうちょ銀行の政府保有分を売却するということは民間銀行になるということです。地銀はゆうちょ銀行が民業圧迫という声明を出しましたが、それも今後、通用しなくなる可能性がある、ということです。 そういう中で、前期決算でバフェットは銀行株のほとんどを売却していることが判明しています。日本の商社株は買ったまま、ということです。ゆえに、これからは資源の時代という人が多いのはそのためなのかな、と思ったりもします。当メルマガは、そんなものは関係なく資源の時代、もとい、大資源の時代になるよ、と何度も表明をしています。そういう中、大資源の時代の創始者ジムロジャースは日本からキャピタルフライトが起こると言っています。データを見るとその可能性は否定できませんが、どうなんだろうな、と思います。なぜ、資源に着目しないのか、と思います。新刊は読んでいませんのでなんとも言えませんけど(笑)。 要は金融不安というのは終息しつつあるテーマだということです。起こる、と投資家の一部が騒いだとしても、それは、以前にもご紹介しましたが、投機筋が逃げるために危機を煽っているとみた方がよいでしょう。つまり、どこかの銀行の経営危機を煽り、その売り込んだところで投機筋は買い戻しを行い、そして一般投資家を売らせる、といういつもの手口です。ニュースがその一部を担っている、ということを忘れないでください。 たとえばバッフェットくらいの大物になると各メディアにバッフェットに影響されている局員などは何人もおり、偏った情報を発信することなどいくらでもあります。バッフェットと名指しをしましたが、バッフェット個人を指しているのではなく、大物投機家というのはメディアとつながっていますので注意をした方がいいと思います。 ■金融不安後のテーマ 金利市場が落ち着かない、いつもいう30年債も下がってきました。要は、今週、行われる、FOMCで利上げを予定通りするのか、それともこの金融不安を受けて現状維持、サプライズで利下げするのか、コンセンサスがない、ということが課題になっているのだと思います。

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