世界を駆け巡っていた「信用不安」は「信用危機」に発展すること
なく、なんとか一旦は峠を越えたようです。
3月16日、当局主導で、大手投資銀行がかねてより危機が噂さ
れていたファーストリパブリック銀行の救済に乗り出しました。
今回の救済手法は、今後アメリカでは「個別の地銀の救済モデル」
になることでしょう。
一方、問題のクレディースイス。3月15日、スイス中央銀行が
クレディースイス救済。クレディースイスはその後UBSに吸収合
併されます。
クレディースイス救済の翌日3月16日、欧州中央銀行:ECBは
従来通りの0.50%の政策金利に引き上げを決定しました。
「これ以上の個別の銀行の危機は決して発生さない」との当局の
強い決心の表れとして、マーケットはこの利上げを歓迎していま
す。
アメリカ当局と欧州当局は、お互い緊密に連絡を取り合いながら、
「個別の銀行の信用不安」には、当局主導で個別に資金を大量に
貸し出すことで決して「システム全体の危機」には発展させない、
その一方で、インフレ退治のための政策金利の引き上げは続行す
る、との「両面からの睨み」を効かすことで、今回の大変難しい局
面を打開する決断を下したようです。
今後、アメリカ経済のスローダウンと当局の地銀への規制・監督
強化とが相まって、地銀による貸しはがしや貸し渋りは加速して
ゆくことでしょう。
金融が引き締まることで、アメリカ経済の成長のスローダウンは
加速してゆくでしょう。
もちろん、こういった過程で、再び「個別の地銀の信用不安」が
急浮上してくることは十分考えられます。
遅かれ早かれインフレもピークアウトしてゆくことでしょう。
そして、これはパウエルFRBもかねてから望んでいたことです。
パウエルFRBは3月21~22日のFOMCで、ラガルドECBと
同様に、0.25%の利上げを実行してくることでしょう。
「これ以上の個別の銀行の危機は決して発生さない」と当局の強
い決心を表明して、マーケットを安心させるためにも、FRBは
0.25%の利上げを実行してくるのではないでしょうか。
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